22日の後場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。

・個人の需給状況は良好、出遅れ感のある中小型株へ
・ドル円は111円66銭、下げ渋り、日銀のETF買いに期待
・2月貿易収支:+8134億円(予想:+8072億円、1月:-1兆876億円)


■個人の需給状況は良好、出遅れ感のある中小型株へ

日経平均は大幅に続落。390.51円安の19065.37円(出来高概算11億株)で前場の取引を終えた。21日の米国市場は、NYダウが200ドルを超す大幅な下げとなり、この流れからシカゴ日経225先物清算値は大阪比340円安の18970円。円相場は1ドル111円台半ばでの推移となっている。オバマケアの廃止を含む医療保険関連法案で、共和党内の調整が難航していることが嫌気され、今後の政権運営への先行き懸念が強まった。

19200円を下回って始まった日経平均は、その後は19100円レベルで下げ渋る動きがみられていたが、前引けにかけてじりじりと下げ幅を拡大しており、一時400円を超える下落幅となった。東証1部の騰落銘柄は、値下がり数が1800を超えており、全体の9割を占める全面安商状。セクターでは強い動きをみせていた、その他製品も下げに転じており、33業種全てが下落。その中で、保険、証券、海運、銀行の弱さが目立つ。

日経平均は一目均衡表の雲上限を割り込んできており、遅行スパンは下方シグナルを発生させている。もっとも、もち合いレンジの下限レベルであるため、シグナルは悪化しつつも、下げ渋りをみせてくるかを見極めたいところであろう。ただ、国内政治リスクが警戒されるなか、ポジションを圧縮する動きが強まる可能性もある。価格帯別出来高では19000円処でも商いが膨れているため、これを一気に割り込んでくるようだと、下へのバイアスが強まりやすいだろう。

とはいえ、物色意欲は旺盛である。好調なIPOが続く中で、需給状況も良好だろう。IPOでの利益確定の資金などは出遅れ感のある中小型株への見直しなどに向かう展開も期待されるところ。


(株式部長・アナリスト 村瀬智一)


■ドル・円は111円66銭、下げ渋り、日銀のETF買いに期待

22日午前の東京外為市場では、ドル・円は下げ渋り。昨年11月以来の安値圏である111円台に下落したが、日銀のETF買いへの期待からドル売りはいったん収束したもよう。

ドル・円は、前日海外市場で米国のトランプ政権による政策の遅れに警戒が広がりドル売り・円買いに振れた。アジア市場でもその流れを受け継ぎ、朝方の売りで一時111円43銭まで下落。昨年11月以来、約4カ月ぶりの安値圏で推移した。

その後、値ごろ感による押し目買いが観測され、ドルの下げは一服。日経平均株価が前日比300円超安となり、節目の19000円割れに警戒が広がったものの、日銀によるETF買いで株価が下支えされるとの見方からドル売り・円買いが弱まっているもよう。

ここまでのドル・円の取引レンジは111円43銭から111円80銭、ユーロ・円は120円35銭から120円86銭、ユーロ・ドルは1.0789ドルから1.0818ドルで推移した。

12時20分時点のドル・円は111円66銭、ユーロ・円は120円51銭、ポンド・円は139円19銭、豪ドル・円は85円56銭で推移している。

(為替・債券アナリスト 吉池威)


■後場のチェック銘柄

・エプコ<2311>、ヤマザキ<6147>がストップ高
※一時ストップ高(気配値)を含みます

・2月貿易収支:+8134億円(予想:+8072億円、1月:-1兆876億円)

・日銀金融政策決定会合議事要旨(1月30-31日分)
「消費者物価は、前年比小幅のプラスで一進一退となっており、これまでの個人消費のもたつきや為替円高がラグを伴って表れている」(ある委員)
「日銀の金融政策はあくまでも2%の物価安定の目標の実現という観点から決定されるべき」(何人かの委員)

・ローゼングレン米ボストン連銀総裁
「商業用不動産利回りは過去の基準では非常に低い」

・布野日銀審議委員
「安定的に物価2%超までマネタリーベース拡大を継続」
「2018年度ごろにはプラス2%程度に達する可能性は高い」
「モメンタムの力強さを欠き、2%物価目標は道半ば」

☆後場の注目スケジュール☆

<国内>
・13:30  全産業活動指数(1月)  0%  -0.3%
・14:00  民生用電子機器国内出荷(テレビ・DVD出荷)(2月)
・14:00  全国スーパー売上高(2月)    -1.6%
・15:00  百貨店売上高(全国・東京地区2月)


<海外>
・特になし





<SK>

情報提供元: FISCO
記事名:「 後場に注目すべき3つのポイント~個人の需給状況は良好、出遅れ感のある中小型株へ