*08:25JST NYの視点:米国経済は独走の様相、ドル買いを後押し 米国大統領選挙で共和党のトランプ前大統領勝利を受けて、消費者や企業の信頼感が大幅に改善した。政局不透明で、後退していた消費支出や企業の設備投資、新規雇用の活動が新政権移行とともに加速する可能性が出てきた。

トランプ次期大統領はニューヨーク証券取引所(NYSE)を訪問、演説やインタビューで、法人税率を現行の21%から15%に引き下げると表明したほか、キャピタルゲインと配当への課税引き下げについて顧問らと協議していると述べた。また、企業に対し、米国内に生産などを取り戻す優遇措置を供給する計画などを検討することも明らかにした。同時に、インフレを巡り、一度上昇したものを低下させることは非常に困難としながらも努力していく姿勢を表明した。

一方で、欧州では景気見通しが急速に悪化。加えて、2025年にトランプ次期政権による貿易不均衡是正の目的で対欧州追加関税などに直面した場合、一段と景気が悪化する可能性が警戒されている。

欧州中央銀行(ECB)は12日、定例理事会で予想通り0.25%の利下げを決定した。声明で「金融政策が景気抑制的」との文言を削除しインフレよりも経済の下支え重視する姿勢を示した。ラガルド総裁は会見でインフレとの闘いは完了していないとしたものの経済のリスクが下方に傾斜しており、50ベーシスポイントの利下げ検討の意見もあったことを明らかにした。今後の利下げ継続が示唆された。

スイス国立銀も12日、予想外に大幅利下げを決定。カナダ中銀は11日に2会合連続で0.5%の利下げを決定した。日銀も追加利上げが来年3月以降になるとの観測が浮上。一方で、FRBは12月連邦公開市場委員会(FOMC)で0.25%の利下げ後、来年1月は見送り、その後の利下げペースは不透明となっている。他国中銀の利下げペースに比べ、FRBの利下げは抑制的になる可能性はドルを支援する。

FRB:12月FOMC0.25%利下げ予想、2025年は未定、利下げ鈍化見通し
ECB:今年4回の利下げを決定。3会合連続、0.5%の利下げも検討
スイス国立銀:予想外に大幅利下げ
カナダ中銀:政策金利(翌日物貸出金利)を0.50ポイント引き下げ3.25%に決定
日銀:追加利上げ先送り観測



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情報提供元: FISCO
記事名:「 NYの視点:米国経済は独走の様相、ドル買いを後押し