*07:56JST NYの視点:米失業保険継続受給者数は3年ぶりの高水準、今後の労働市場の冷え込み示唆 米労働省が発表した先週分新規失業保険申請件数(11/15)は前週比6000件減の21.3万件と、4月来で最低となった。小売り企業などが早めに年末商戦のプロモーションを開始しており、パートタイムの雇用が増えた可能性が指摘されている。一方で、失業保険継続受給者数(11/9)は190.8万人となった。前回187.2万人から予想以上に増加し21年11月以降ほぼ3年ぶりで最高となった。

連邦準備制度理事会(FRB)高官は、遅行指標となる雇用統計よりも週次の失業保険申請件数がより、労働市場の現状を正確に反映していると注目指標のひとつとしている。年末商戦前後の失業保険申請件数は低い水準を維持する可能性が強いがパートタイムの雇用がなくなる年末にかけて、申請件数が増える可能性が警戒されている。

継続受給者数の増加は今後の労働市場の減速を示唆しているとの指摘も見られる。すでに、航空機メーカーのボーイング、自動車メーカー数社が電気自動車(EV)の売り上げ不振などで従業員削減計画をすでに発表しており、今後のデータに響く可能性がある。失業保険継続受給者数の大幅増加は、失業後、新しい仕事を見つけるのに一段と時間がかかっていることを意味する。ペースが鈍化する可能性は否めないが連邦準備制度理事会(FRB)の利下げ軌道を正当化するあらたな証拠となった。


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情報提供元: FISCO
記事名:「 NYの視点:米失業保険継続受給者数は3年ぶりの高水準、今後の労働市場の冷え込み示唆