米労働省が発表した7-9月期非農業部門労働生産性改定値は前期比年率+0.8%となった。伸びは速報値+0.3%から予想以上に上方修正され3四半期ぶりのプラスで、昨年10−12月期以来で最大となった。連邦準備制度理事会(FRB)のグリーンスパン元議長が経済を見極める上で重要視していた。同期単位労働コスト改定値の伸び鈍化が生産性を高めたと言える。

同期単位労働コスト改定値は前期比年率+2.4%と、速報値+3.5%から予想以上に鈍化。伸びはマイナスとなった昨年1−3月期以降で最小にとどまった。賃金の上昇がFRBのピーク金利を引き上げると見られていたため、FRBにとり望ましい結果となり、想定されていたほど大幅な利上げが必要とならないとの思惑も広がった。

遅行指標とは言え、7-9月期非農業部門労働生産性の予想以上の改善に加え、アトランタ連銀の10−12月期GDP見通しが3%台へ引き上げられるなど、市場の経済に関する悲観的な見解に対し、経済状況は極めて堅調な結果が出ている。今後もリセッションの行方に注目される。

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情報提供元: FISCO
記事名:「 NYの視点:リセッションリスクや賃金インフレ動向探る