NY連銀の調査で、消費者のインフレ見通しは3月も過去最高を記録した。食品や家賃の見通しが一段と上昇。

NY連銀インフレ期待(平均)
1年物:6.6%(2月6%)
3年物:3.7%(3.8%)

1年先の家計支出の伸び:+7.7%(2月+6.4%)、食品やガス+9.6%、家賃+10.2%、住宅価格+6%(+5.7%)

今後3カ月間、債務の最低額の支払いができない可能性11.1%(9.2%)

長期のインフレ期待が若干低下したことは良い兆候。しかし、家計支出の予想が一段と拡大しており、FRBは物価の引き下げに努める必要性がある。消費者は高インフレからくる困難が緩和する前に、一段と深刻化すると警戒しており、家計への悲観的見方が広がっている。今後3カ月間で債務の最低額の支払いができない可能性があるとの回答は11.1%と、9.2%から上昇し、12カ月平均10%を上回った。職を失う可能性があると指摘した回答者も全体の11.06%と、10.75 %から上昇。

2022年の連邦公開市場委員会(FOMC)投票権は持たないが通常はハト派として知られるシカゴ連銀のエバンス総裁は5月FOMCでの50BPの利上げの可能性はおそらくかなり高いとの見解を示した。年内に中立金利である2.25%‐2.5%に引き上げることも可能との見方。同時に、金融引き締め過ぎるリスクも指摘した。また、ウォラー理事はFed Listensのイベントで、「FRBは経済にハンマーで直撃するような利上げによる損傷を回避するため、可能なことを全て行う」と言及。「強引な手段を利用するとき、伴って損傷がたまに起こる」と、ソフトランディングに努めていく意向を示した。FRBの積極的な引き締めを織り込むドル買いも継続か。

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情報提供元: FISCO
記事名:「 NYの視点:NY連銀の3月インフレ見通し、1年物は過去最高、消費者の悲観論強まる