米連邦準備制度理事会(FRB)は7月に開催された連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨の中で、経済が一段と進展し、緩和縮小を巡り、ほとんどの参加者が年内の実施が適切と主張したことが明らかになった。ただ、他のメンバーは、来年初旬が適切だと主張し見解が分かれた。見通しにも、かなりの不透明感があると指摘されている。特に、新型コロナウイルスのデルタ変異株が不透明性に繋がり、見通しの下方リスクになる可能性も警告されている。緩和縮小の条件とされている経済の「著しい一段の進展」も、まだ達成できていないとしており、タイミングはまだ不透明のまま。

デルタ株流行が予想より悪化した場合、見通し修正もあり得るとしており、今のところ、年内の緩和縮小を適切と考えている委員も、今後の展開次第では、見通しを修正する可能性は十分にある。

緩和を続けていることにより、金融安定リスク上昇を指摘するメンバーもいれば、一方で、物価の下方圧力の再発リスクを指摘するメンバーもおり、緩和縮小の軌道にあるものの、方針はあまり固まっていない模様。

緩和縮小のタイミングはデルタ株の行方や8月雇用統計、政府の失業者緊急支援措置が失効したあとの労働市場の状況などの行方次第となる可能性がある。ジャクソンホールで演説で、パウエル議長が緩和縮小の計画を発表するとの思惑は強い。ただ、欧州中央銀行(ECB)のラガルド総裁や、英中銀のベイリー総裁は出席しないため、重要なイベントになるかどうかは不明となる。



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情報提供元: FISCO
記事名:「 NYの視点:米7月FOMC議事要旨、年内の緩和縮小示唆も今後のコロナや経済の進展次第