米連邦準備制度理事会(FRB)は15日から16日にかけて連邦公開市場委員会(FOMC)開催を予定している。FRBはこの会合で、大規模緩和を維持する見込み。

パンデミック後、ワクチン接種の普及で経済活動の再開ペースが加速し需要が急増する一方、パンデミックの影響がくすぶり供給に大きなおくれが生じている。需給のギャップが短期的に物価を押し上げている。FRBは年内のインフレが一時的に3%近くまで上昇すると予想しているものの、需給のギャップ問題が解決すれば来年のインフレの伸びも緩やかになると見ている。さらに、雇用はパンデミック前に比べ、依然800万人近く欠如した状態で最大雇用には程遠く、大規模緩和を維持することが当面必要との考え。緩和策縮小の協議開始も時期尚早と見ている高官も少なくない。

一方、市場参加者の一部は、インフレ率の上昇などを背景に、FRBが8月末にジャクソンホールで開催する年次会合で、緩和縮小協議の開始を示唆するとの見方を強めている。

著名投資家のポール・チューダー・ジョーンズ氏は14日にCNBCのインタビューに答え、インフレの上昇がFRBが予想しているような一時的な現象ではない可能性に言及。もし、FRBが物価の上昇を無視したならば、インフレヘッジとして、商品や金、暗号通貨の購入に動く投資方針を明らかにした。反対に、もし、FRBが「最新のデータに基づき、我々は我々の任務を終えた、雇用の目標達成に非常に速やかな軌道上にある」と述べた場合は、テーパータントラムになるだろうと指摘し、株式相場の調整や国債相場の下落に繋がると指摘した。JPモルガン銀のダイモンCEOも14日、モルガンスタンレーの会合で、同行が高金利やインフレの上昇に備えていると言及した。

金利先高感にドルの下値が当面支える可能性がある。

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情報提供元: FISCO
記事名:「 NYの視点:市場は金利高やインフレ上昇の準備