皆さん、こんにちは。フィスコリサーチレポーター花田浩菜の気になるレポートです。今回は、トルコリラ円についてのレポートを紹介します。

陳さんはまず、トルコリラ円について『もち合いで推移しそうだ』と予想しています。

トルコ中銀の直近の動きについては、『2019年7月から2020年5月までに主要政策金利を計15.75%引き下げた。インフレ率を下回る実質的マイナス金利状態となり、リラは対ドルで3割超下落した』と伝えています。『トルコ中銀は9月の会合で金利を2.0%引き上げたが、リラ安の流れは変わらなかった』とのことで、『中銀が10月の会合で市場予想に反して金利据え置きを決めると、失望売りでリラ安は加速し、一時は年初来約30%安まで下落した』と説明しています。

また、『リラを買い支えるために中銀が費やした外貨準備は1000億ドル(約10兆円)以上と推計されている。こうした状況下、エルドアン大統領は中銀総裁を前任のウイサル氏から交代させ、てこ入れを図った』と述べており、『エルドアン氏の娘婿であるアルバイラク財務相も辞任し、大統領が経済・金融政策の軌道修正を図るという見方が市場で広まった』と分析しています。

金利については、『トルコ中央銀行は19日の金融政策会合で、主要政策金利を10.25%から4.75%引き上げ、15.00%にすると決定した。市場予想は4.75%の引き上げで、市場の期待通りの対応がなされた』 として、この決定を受けてリラは『一時1%ほど上昇した』と伝えています。

金融政策会合については、『今回は7日に任命されたアーバル中銀総裁の下で行われる初めての金融政策会合。利上げ反対を主張するエルドアン大統領の圧力の中、独自の判断を下せるかどうかに注目が集まっていた。トルコ中銀は決定に際しての声明で「金融政策引き締めは、インフレが持続的に低下するまで断固維持される」と表明した』と述べています。

続けて、『エルドアン大統領は20日、トルコン中銀が475ベーシスポイント(bp)の利上げを決定したことについて、インフレを抑制するために必要な「苦い薬」だとの認識を示した』と言及。

『同大統領は、インフレが抑制されれば、通貨が安定するだろうとも発言。金利はインフレの原因だとの持論を改めて展開した。「われわれの真の目標は、まずインフレ率をできる限り早期に1桁に下げた上で、その後、われわれの中期目標の水準に下げ、それに伴い金利を低下させることだ」と述べた』とのことで、『国内投資家に対し、景気の拡大を促すため、海外にある貯金やたんす預金を国内経済に戻すよう求めた』と解説しています。

今回の利上げにより、『実質金利は15.0−11.89=3.11%とプラスに転じた』としており、これにより『市場はひとまず安心したが、果たしてインフレ率を抑えることができるのか疑問視されている』と指摘。加えて、『エルドアン大統領は任期切れを迎える2023年を控え、再選を果たすために景気を冷やしかねない高金利は避けたいとの本音があると思われている』と伝えており、そのため、『中銀への介入を行うのではないかとの疑念もあり、トルコリラが安定できるかどうかはこれからだろう』との見解を示しています。

こうしたことを受け、トルコリラ円の今週の動向について『もち合いで推移しそう』と予想し、予想レンジは『12.50円~14.50円』としています。

参考にしてみてくださいね。

上記の詳細コメントは、ブログ「テクニカルマイスター」の11月25日付「【トルコリラ円今週の予想(11月24日)】」にまとめられていますので、ご興味があればご覧ください。

フィスコリサーチレポーター 花田浩菜



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情報提供元: FISCO
記事名:「 トルコリラ円はもち合いで推移しそう サンワード貿易の陳氏(花田浩菜)