パラオ共和国は1919年、第1次世界大戦の戦後処理をする「パリ講和会議」により、1945年の第2次世界大戦の終戦まで、日本の委任統治下に置かれた。日本統治時代、学校や教育、道路や各種のインフラが整備され、国の近代化が推進された。多くの日本人もパラオに移住しており、日本語も普及している親日国だ。1947年からは国際連合の委託を受けた米国の信託統治下に置かれ、英語による高等教育や豊富な食料等の供給を受けている。1994年10月、米国との「自由連合盟約国」(COFA:Compact Of Free Association)関係を結び、独立を果たした。ただし、盟約により、国防、安全保障及び外交権限の一部を米国に委ねている。総面積459km²(屋久島と同程度)、人口約2万人の小さな島嶼国家であるが、中国の主張する防衛線の「第二列島線」上に位置し、米国の国防戦略上極めて重要な意味を持つ国家である。
グロスマン氏は、コメンタリーの最後に、「エスパー長官は言及していないようだが、ワシントンは地上配備型の中距離ミサイルを太平洋に配備することを選択する可能性がある。2019年8月、中間距離核戦力(INF:Intermediate-Range Nuclear Force Treaty)条約から脱退したことで、日本、オーストラリアが配備の候補に挙がるのは明らかだが、中国の射程圏内にある唯一の自由連合盟約国であるパラオも検討の対象になるだろう」と今後のミサイル配備構想を見積もっている。