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1. 日米欧が金融緩和を続け、グローバルに過剰な流動性が供給されていること。
2. 企業業績の改善度などと比較して株価は割安と判断されること。
3. 悲観論が満ち溢れていること。過去の例ではそういう時が相場の底であることが多いこと。 買うべきマネーが溢れ、買われる対象は十分安値に放置されているのに不安心理から手が出せないでいる状態である。不安心理が後退するに従い、株式市場に資金が流入、ラリーが始まるだろう。
◆これは現在の状況を述べたものではない。ちょうど今から10年前に初めて書いたストラテジーレポートの冒頭に記した要約である。10年前に初めてストラテジーレポートを書いた。この9月でマネックスのチーフ・ストラテジストに就任して丸10年が経つ。同じ組織にこれほど長く所属したことはない。10年ひと昔というが感慨深い。10年経っても状況がまったく変わっていないということにも驚くばかりである。
◆そのストラテジーレポート第1号では年末の日経平均を1万500円と予想して見事に的中させた(正確には翌年1月5日にクリアしたのだが)。その約2か月後に東日本大震災。東京電力のレポートではおおいに市場の注目を集めた。これまでに多くのレポートを書いてきた。 だが、その中で一番のものを挙げるとすれば2012年10月に書いた「PAST<FUTURE」である。まさに相場のどん底でその年末からのラリーを予言するかの内容だった。2012年10月 − そう、アベノミクス相場のラリーが始まる1カ月前だ。
◆安倍政権は憲政史上最長の7年8カ月。僕がマネックスのチーフ・ストラテジストに就任して10年だから、その4分3はアベノミクス相場と付き合ってきたわけだ。安倍首相、お疲れ様でした。そして次の新総裁もよろしくお願いします。長期政権を担って日本の構造改革を進めてください。 日本の変革こそが株価上昇のカギである。それをレポートに書くのが僕の夢だ。今日から次の10年へ。ストラテジーレポートと【新潮流】をどうぞよろしくお願い致します。
マネックス証券 チーフ・ストラテジスト 広木 隆
(出所:9/7配信のマネックス証券「メールマガジン新潮流」より抜粋)
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