米国経済を支える数兆ドル規模の追加財政策の実施に向けて交渉が続く中、米国債相場は続伸を続けている。5年債利回りは過去最低水準を連日更新。米10年債利回りも0.51%まで低下。新型コロナウイルスパンデミック拡大で、米国も緊急事態宣言を発動するにいたり市場が混乱していた時期の3月9日以来の低水準となった。

7月に入りウイルスが再燃し回復が停滞したため景気の先行き見通しが再び悪化している。回復は容易ではなく、ウイルスパンデミックにより損傷した経済が危機前の状況に戻るには少なくとも2年ほどかかるといった経済への不安も強まり安全資産としての米国債に投資資金が流入した。

米国債券市場の変動率は米国でのウイルスパンデミック拡大のイベントで3月に急伸し10年ぶりの高水準を記録したのち、米連邦準備制度理事会(FRB)が長期にわたり低金利を維持する方針を示したため急低下し、現在は過去最低水準で推移している。

ただ、8月は投資家が夏季休暇に入るため通常、参加者が限定的となり相場が動きやすくなる。このため、混乱が起こりやすい月である。米国債市場での変動率が過去最低水準から急伸する可能性も警戒されている。ドルの乱高下にもつながる可能性があるため注視したい。







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情報提供元: FISCO
記事名:「 NYの視点:8月相場を警戒、米国債変動率は過去最低