パウエルFRB議長とムニューシン米財務長官は上院銀行委の証言でパンデミック救済策を擁護した。パウエルFRB議長は政策総動員で経済を支援すると公約。当局のパンデミック対策は巨大にのぼるが、十分かどうかはまだわからないとし、FRB、議会は追加措置が必要になる可能性があると繰り返した。長期の失業は何年も経済の重しになると警告。

ムニューシン米財務長官は、活動を再開しないと、恒久的な損傷になるリスクを警告したほか、失業者数も減少する前に増加するとし、第2四半期の労働市場が最悪となるとの見通しを示した。また、長期債の発行で低金利を利用する可能性や中間層向け減税を示唆した。クドロー国家経済会議(NEC)委員長はパンデミックで落ち込んだ経済を立て直すためトランプ政権が、減税または免税、レストラン業界の救済、キャピタルゲイン税減税などを検討していることを明らかにしている。

米商務省が発表する国内総生産(GDP)と類似したモデルを使用しているアトランタ連銀の第2四半期GDP見通しはマイナス41.9%。米連邦議会予算事務局(CBO)の見通しでは、4−6月期‐38%で、2020年‐5.4%を予想している。

FRBや政府の力強い救済策にもかかわらずバンクオブアメリカが223人のファンドマネジャーを対象とした調査の結果によると、ウイルスパンデミックからの経済の速やかなV字型回復を予想しているのは全体の10%に過ぎない。回答者の75%がU字、またはW字型の遅い回復を予想している。また、株式相場はFRBの大規模支援により下げ止まったが、回答者の68%が弱気相場の中の反発に過ぎないと慎重。新たな強気相場の始まりと見ている投資家はわずか25%に過ぎない。リスクとしては、新型ウイルスに続き失業率が高止まりすることを挙げている。不透明感も強く、今後、ウイルス治療薬、ワクチンの開発動向や、第2派の可能性、救済策が経済や労働市場を支え切れるかどうかを見極めていくことになる。

■BOAファンドマネジャー調査
●回復の軌道
V字型回復:10%
U、W字型回復:75%

●相場
新たな強気相場を予想:25%
弱気相場を予想:68%

●リスク
1)新型ウイルス
2)恒久的に高い失業率
3)EUの分裂







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情報提供元: FISCO
記事名:「 NYの視点:投資家は景気回復や株式相場に悲観的