米商務省がワシントンで15日発表した3月小売売上高は前月比‐8.7%と過去最大の下げを記録した。前年比では6.2%減と2009年9月以来で最大の落ち込み。ただ、国内総生産(GDP)の算出に用いられる自動車、建材、給油、食品を除いたコアの小売りは前月比+1.7%と、2019年1月来で最大の伸びとなった。飲料や健康関連の買い占めが影響した可能性が指摘されている。米国の4月NY連銀製造業景気指数は−78.2と、予想-35.0を大幅に下回り過去最低を記録。米3月鉱工業生産も前月比‐5.4%と過去最大の下げを記録した。全米住宅産業協会(NAHB)が発表した4月NAHB住宅市場指数も30と、活動の拡大と縮小の境目となる50を6年ぶりに割り込み、2012年6月来の低水準となった。3月72からの低下幅は過去最大となった。

16日には最新4月のフィラデルフィア連銀景気動向指数が発表されるが3月の‐12.7に続いて‐32と2009年3月来の低水準が予想されているほか週次新規失業保険申請件数もすでに申請している1700万件に加え、550万件が予想されている。

4月分の経済指標はさらに悪い結果を覚悟しなければらなない。米連邦準備制度理事会(FRB)が公表した4月6日までの情報を基に作成された地区連銀経済報告(ベージュブック)の中でも全米地区連銀は経済活動の判断を景気後退を脱した2009年6月以降10年近く続いてきた「緩慢から緩やかな拡大継続」から、「ここ数週間で突然、急激に縮小した」と大幅に下方修正した。企業主が今後数カ月、さらに雇用を削減することになると悲観的な見通しを示しており、雇用関連指標の一段の悪化も警戒される。ベージュブックは今月28−29日に予定されている連邦公開市場委員会(FOMC)の材料となる。






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情報提供元: FISCO
記事名:「 NYの視点:米経済指標、悲惨な結果はこれから