米供給管理協会(ISM)が発表した3月ISM製造業景況指数は49.1と2月50.1から活動の拡大と縮小の境目となる50を昨年12月以来で初めて割り込んだ。ただ、予想は上回った。重要項目である新規受注は42.2と、2月49.8に続き2カ月連続の活動の縮小で、景気後退のさなか2009年3月来で最低を記録。また、雇用も43.8と、8カ月連続の50割れで活動の縮小を示したほか2009年5月来で最低となった。

■3月ISM製造業景況指数
景況指数:49.1(予想44.5、2月50.1)
新規受注:42.2(2月49.8)
支払い価格:37.4(予想41.8、2月45.9)
生産:47.7(2月50.3)
雇用:43.8(2月46.9)
在庫:46.9(2月46.5)
価格:37.4(2月45.9)
入荷遅延:65.0(2月57.3)
顧客在庫:43.4(2月41.8)
輸出:46.6(2月51.2)
輸入:42.1(2月42.6)

米国の民間部門の雇用者数を示すADP雇用統計の3月分は前月比-2.7万人と、2017年9月来の減少となった。ただ、予想の-15.0万人ほど減少しなかった。この結果は月半ばまでの統計となるため、外出規制が本格化した20日以降の大幅な雇用削減の影響は含まれていない。多くの米国経済指標はまだ新型ウイルス蔓延による外出自粛要請で経済がほぼ停止した影響が100%反映されているわけではない。

外出規制を受けて休業が強いられた大手小売りのギャップや大手百貨店メーシーズなど少なくとも24社がほぼ全従業員の一時解雇を発表している。状況改善に伴い再雇用するとしているが、危機前の水準に戻るにはかなりの時間を要するとエコノミストは警戒している。

米労働省が3日に発表する雇用統計でもまだ、各社が実施している解雇の影響が十分に反映されていないと見られ最も雇用市場の動向が見られるのは失業保険申請件数と言われている。米労働省がワシントンで2日には発表する週次失業保険申請件数は350万件と、前週の328.3万件に続き300万件を上回る結果が予想されている。セントルイス連銀のエコノミストは最終的に総失業者数が4700万人に達すると見ている。当面、新型ウイルスが100%影響した指標の結果を警戒する動きが続く。





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情報提供元: FISCO
記事名:「 NYの視点:米週次失業保険申請件数が最も新型ウイルスの影響を反映との見方