中国株式市場は3月8日大幅に下落した。主要株価指数の上海総合は8日の取引で、前日比4.4%安と大幅に下落し、節目の3000大台を割った。しかし、3月11日中国株式市場は反発し、上海総合の終値が前営業日比で1.92%高の3026.99ポイントを付けた。同日、上海と深セン両市場の取引高総額は9445億元(約15兆6745億円)に達した。約200銘柄がストップ高となった。

中国株式市場の強気相場が続くなか、中国政府系メディア・証券日報は3月11日、2面に7つの評論記事を掲載し、個人投資家に対して、中国A株式市場の暴騰に「リスクがあり」、「熱狂的な投機活動」を控えるよう警告した。

*政府系メディアが警告

中国政府系メディアは2月以降、株を買い煽っていた。当局の突然の警戒論について、専門家は新たな株急落の兆候だとの見解を示した。

証券日報は記事で、「東方通信」など最近数倍も急騰した銘柄を名指して批判した。「大躍進政策のような熱狂的な暴騰」をもたらした主因は、「ホットマネー」による投機活動だとした。

また、中国国有金融会社である中国中信集団公司の傘下子会社で、中国証券最大手の中信証券は8日、中国人民保険集団の株価について「著しく割高」で、今後1年で50%以上下落する恐れがあるとして、「売り」と判断した。この判断が8日の急落の一因だとみられる。

ブルームバーグは8日の報道で、中国証券最大手の売り判断は「珍しい」とした。報道は、中国人ファンドマネージャー・楊巍氏のコメントを引用し、中国当局がこの売り判断を承認したとの見方を示した。「当局は熱狂型の強気相場ではなく、緩やかな強気相場を望んでいる」という。

*異常な上昇

中国株式市場の強気相場は、中国経済のファンダメンタルズと企業の業績実態に一致していない。中国メディア・第一財経網(2月26日付)などによれば、「業績が不振である」にも関わらず、中国移動通信会社の「東方通信股フン有限公司」の株価は昨年下半期から約11倍に急上昇した。

中国メディアは、中国造園会社「*ST毅達」の株価急騰にも注目した。

新京報(8日付)によれば、*ST毅達は昨年11月15日、同社が巨額な赤字に陥り、「主要業務が停止し、経営活動が正常に行えない状況にある」との声明を発表した。この状況下で、今年2月1日から3月7日までに*ST毅達の株価が約148%急上昇し、18回のストップ高となった。

同社株価の急上昇に違和感を覚えた*ST毅達は3月6日、再び声明を発表した。声明では、辞職した経営陣について「連絡が取れない状況が続いている」としたうえ、「同社株価の急上昇は現在の経営状況に一致していない」「上場廃止のリスクがある」と訴えた。

大紀元コメンテーターの李沐陽氏は、この異常さの背後に、中国証券監督管理当局の放任があると指摘した。

また、コメンテーターの何堅氏は、中国株式市場は、経済のファンダメンタルズと企業業績に一致しないため、短期間の上昇が続いた後、3月8日のような急落が再び現れるとの見方を示した。

中国メディアの報道によると、今年に入ってからすでに350社の上場企業が株式の売却計画を発表した。3月1日から7日までで、1日当たり30~40社の企業が株式売却計画を公表した。

(翻訳編集・張哲)



【ニュース提供・大紀元】




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情報提供元: FISCO
記事名:「 中国官製メディア、7本の評論記事で強気相場を警告 暴落を警戒か