こんにちは、フィスコマーケットレポーター三井智映子の「気になるレポート」です。先週の米原油先物は下落しましたが、週明け15日、アジア時間の取引において原油先物の価格が上昇しました。その背景には、サウジアラビアの反体制記者ジャマル・カショギ氏がイスタンブールのサウジ総領事館内で殺害されたとの疑惑から、米国とサウジアラビアの関係悪化が懸念されていることがあるようです。

松永さんのブログでは、カショギ氏失踪事件について『トランプ大統領は、サウジアラビア側が殺害に関与した可能性があると述べた上で、「サウジアラビア当局によるカショギ氏殺害が事実なら厳しい処罰を加える」と述べました』と伝えており、『共和党も民主党もカショギ氏失踪事件に関してサウジアラビアを批判しておりますが、これらは米中間選挙を意識した行動と考える必要もありそうです』と指摘しています。

懸念されている米国とサウジアラビアの関係については、『トランプ大統領は、カショギ氏失踪事件に関してサウジアラビアへの武器売却の凍結は検討していないことを明らかとしました。トランプ大統領が5月にサウジアラビアを訪問した際に総額1100億ドルの武器売却で合意しており、それを凍結する気はないようです』と解説。

続けて、『これを凍結すれば、米中間選挙で軍事産業票を失うことになりかねません。また、サウジアラビアに制裁を加えれば、米ガソリン価格の更なる高騰により米中間選挙においてトランプ政権が不利になります』と考察しています。

トランプ大統領がサウジアラビアに制裁を加える可能性については、『トランプ大統領は、建前上ではサウジアラビアを批判しても、サウジアラビアへの武器販売の凍結もせず、ムニューシン米財務長官が砂漠のダボス会議へ出席する予定なので、トランプ大統領がサウジアラビアに制裁を加える可能性はかなり低そうです』との見解を述べています。

しかし、ショギ氏失踪事件を受けて『今月23日からサウジアラビアの首都リアドで開催される「砂漠のダボス会談」と称される経済フォーラムに対して、参加取りやめの動きが広がって』いるとのことで、米主要メディアの多くも不参加を表明しているもようです。そのことから、『米主要メディアとトランプ大統領との対立は更に強まりそうです。それにより11月6日の米中間選挙に向けた不透明感が更に強まり、米国株安を中心としたリスクオフの流れが続く可能性も高そうです』と分析しています。

最後に、今後の値動きについて『リスクオフの流れに原油価格が圧迫される可能性もあるだけに、原油市場はしばらく軟調地合いを続けるのかもしれません』と示唆しています。

上記の詳細コメントは、ブログ「松永総研~北浜の虎と呼ばれた男~」の10月15日付「原油市場パート3」にまとめられていますので、ご興味があればご覧ください。

フィスコマーケットレポーター 三井智映子




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情報提供元: FISCO
記事名:「 カショギ氏失踪事件は原油市場にどう影響しているの? サンワード貿易の松永氏(三井智映子)