■非財務の価値 (持続的成長の源泉)

SOMPOホールディングス<8630>では本業を通じた社会価値の創出にとどまらず、CSR活動を通じて、さまざまな形で社会課題、環境課題に向き合ってきた。こうした「継続的CSR活動」が同社の非財務の価値をしっかりと支えていると考えている。
同社のCSR活動のルーツは、持株会社制に移行する2010年以前の、1990代まで遡ることができる。1990年には「地球環境室」を設置、1997年には 国内金融機関では初めてとなるISO14001の取得を果たしている。その後、「CSR」という言葉自体がまだ日本で浸透していなかかった2003年に「CSR・環境推進室」を設置、また、いまでこそ多くの日本企業が署名している国連グローバル・コンパクト、国連責任投資原則(UN-PRI)には2006年に早々と署名するなど、時代を先読みした先進的な取り組みが目立つ。
CSRについてはSOMPOホールディングスグループとしての考え方が極めて明確に示されており、その活動方針もわかりやすく体系付けられている。

SOMPOホールディングスグループのCSR  (フィスコIRが整理)
[グループCSRビジョン]
・高い倫理観のもと国際的な行動規範を尊重
・環境問題、人権やダイバーシティ、地域社会への配慮などを自らの事業プロセスに積極的に組み込む
・社会に対して透明性の高い情報を積極的かつ公正に開示
・ 常に一歩先を見据えて、社会の安心・安全・健康に資する商品・サービスの提供をすることで、ソリューションプロバイダーとしてレジリエントで持続可能な社会の実現に貢献

[グループ環境ポリシー]
環境問題の解決に積極的に取り組むことで、レジリエントで持続可能な社会づくりに貢献

[グループ人間尊重ポリシー]
・ バリューチェーンを含めたグローバル市場で、すべてのステークホルダーの基本的人権を尊重することを
宣言
・国際的な行動規範*を尊重しつつ、持続可能な社会の創造に向けて、高い倫理観をもって行動

[社会貢献方針]
・ 地域および地球規模での社会的課題の解決をめざし、積極的に社会貢献活動を実践するとともに、社員ひとりひとりによる自発的な社会貢献活動を支援

またグループCSR重点課題として「防災・減災への取組み」「健康・福祉への貢献」「地球環境問題への対応」「よりよいコミュニティ・社会づくり」「ダイバーシティの推進・啓発」を掲げ、これらに力を注いでいる。なお、これらの重点課題は国連が掲げるSDGs(持続可能な開発目標)とも連動性が高く、評価に値する。

また、非財務的な価値が感じられるものの一つに「女性の活躍」があげられる。SOMPOホールディングスグループでは女性が過半数を占める職場も多く、育児休業の取得や女性管理職登用を積極的に推進している。女性管理職比率も20.7%と高く、「時間当たりの生産性」を高めることを意識し、テレワークやシフト勤務なども活用している。各職場では具体的な対応策についても施され、時間外労働比率も11.3%と低いレベルにある。このことから、同社には男女問わず働きやすい環境が整っていると言うことが出来るだろう。

(執筆:フィスコアナリスト)



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情報提供元: FISCO
記事名:「 SOMPO Research Memo(2):継続的なCSR活動と良好な職場環境が持続的成長を支えている