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香港の税関は20日、アフリカ発中国広東省着の輸送コンテナに入っていた、7トン以上の絶滅危惧種のうろこをもっている哺乳類パンゴリン(和名センザンコウ)を押収したと発表した。香港税関によると、中国漢方の材料になるこのパンゴリンの市場価格は、355万香港ドル(約5000万円)相当。7.1キロに及ぶ押収量は、この20年内で2番目だという。
税関職員が「青衣輸送(音訳)」から運ばれた「プラスチック原料880袋」と虚偽申請の内容のコンテナ内には、絶滅危惧種のパンゴリンのうろこ286袋を発見した。
284袋7.1トンのパンゴリンのうろこ、市場価格は5000万円相当(香港税関より)
有隣目のパンゴリンは、中国の漢方の材料として知られる。医薬品の信ぴょう性が低い中国は、漢方の人気も根強い。粉末にして飲まれるパンゴリンのうろこは万能薬と信じられ、リウマチ、血流促進、皮膚疾患、心疾患、さらにはガンにも効果があるといわれる。ほかにも、女性が飲むと母乳が良く出るようになる、男性がパンゴリンの血を飲んだり肉を食べたりすると精力がつくなどの効能が、人づてに伝えられている。
国際自然保護連合(IUCN)と野生動物取引監視組織(TRAFFIC)の調べによると、毎年20トン、毎年新しい世界の密輸ルートに乗るパンゴリンは、「世界で最も密輸される生き物」に例えられている。2016年、パンゴリンの8種すべてが、絶滅の恐れのある種に指定され、国際取引は違法となっている。
香港税関は今年3月にも、「鉄くず」と虚偽申請されたパンゴリン2.8トンを、同じ青衣輸送のコンテナから発見し、押収した。昨年5月にも7.2トンものパゴリンが入ったコンテナが、ナイジェリアで押収されている。香港当局は密輸事件として捜査している。
米ワシントン・ポストは最近、パンゴリンの密輸に関する特集記事のなかで、中国がシルクロード構想「一帯一路」の関連地域に、中国漢方薬を売り込んでいると指摘した。
(編集・甲斐天海)
【ニュース提供・大紀元】
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