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中国共産党政権は「一つの中国」に基づく対応を、世界中の航空会社や、台湾の外交関係国に要求している。多くの企業や国が中国に合わせた対応策をとるなか、台湾の南に位置する太平洋の島国パラオは、観光産業の主要顧客だった中国を結ぶ航路を停止にした。
現在、台湾と国交を結ぶ国は19カ国。蔡英文政権になってから3国が断交し、中国と国交を樹立した。巨大な観光市場と経済的な利益を約束し、台湾の国際的地位を削り取ろうとしている中国共産党政権は今、欧州バチカン市国と太平洋の島国パラオに揺さぶりをかけている。
サンゴ礁の美しい太平洋の島パラオは、人口2万人、日本の3200キロ南、台湾から1500キロ南に位置する(wondermondo.com)
中国当局は2017年11月、中国人がバチカン市国へ旅行することを禁止した。パラオへも団体観光ツアーの制限をしている。台湾の中央社によると、パラオの観光客の半数が中国人。当局がツアー制限してからの8カ月で、観光客数は半減した。
こうした圧力にもかかわらず、トミー・レメンゲサウ大統領は今年初め台湾メディアのインタビューで、「台湾とパラオの関係は変わらず強固である」と述べた。「パラオは民主主義の法治国家であり、われわれ自身が適切な決断を下し、台湾との外交関係を崩さないという立場を強調する」と語っている。
7月中旬、現地の大手複合企業シー・パッション・グループの代理人はパラオ国会で、パシフィック航空の空の便と同社系列ホテルは、今年7月と8月の予約がほとんどないと危機感を募らせた。需要の急激な低下を受けて、同航空は中国本土の路線を停止し、損失を減らす計画を議会に提出した。
パラオは、日本の国連の委託統治を受けていた時代もあり、今日まで日本と積極的な外交関係がある。1997年、日系のクニオ・ナカムラ前政権時代に、李登輝政権時代の台湾と外交関係が結ばれた。3年毎に開かれる日本主導の太平洋・島サミット(PALM)にも参加し、今年5月、8回目となるPALMは福島いわきで開かれた。
パラオにある外国公館は日本、台湾、米国の3カ国のみ。主たる産業は観光で、2010年前半までこの3カ国が顧客トップだった。しかし、2015年以降は中国本土からの旅行客が一位となり、過半数を占める。中国人観光客の急激な増加とともにマナー違反が目立つようになり、国内の不満が高まった。レメンゲサウ政権は昨年、香港経由の中国本土からのチャーター便を半減させた。
2017年に中央社の取材に答えた在台湾パラオ大使オルカリル氏は、観光が中国依存にならず、ヨーロッパの顧客を増やし、多様性を高めたいとしている。
(編集・佐渡道世)
【ニュース提供・大紀元】
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