ドル指数は94.06まで上昇し、年初来高値を更新した。しかし、その後高値警戒感で利食いも目立つ。

米国がイランやベネズエラに対する制裁を強化。中東情勢の緊張や、夏のドライビングシーズに向けて需要が拡大するとの思惑から原油価格が2014年以降3年ぶりの高値を更新した。一段の上昇も予想され、インフレを押し上げると見られている。ただ、生産性が依然低く、賃金が伸び悩んでいるため、70年、80年代に見られたようなインフレ高騰は今のところ警戒されていない。

2018年度の連邦公開市場委員会(FOMC)の投票権を有する米アトランタ連銀のボスティック総裁は、インフレに関して、「当面、2%を若干上回る水準で推移する可能性が強い」と見ている。米国経済が完全雇用、またはそれに近い水準で推移しているが、賃金の伸びが緩慢だと指摘。年あと2回の利上げを支持する姿勢を維持している。

米フィラデルフィア連銀のハーカー総裁は、インフレ率は2%を上回り、最高で2.5%まで達する可能性があると見ている。また、金融政策では、「金利が思慮深く上昇することは適切」で、もし、インフレが加速したら、3回の利上げを支持する可能性も示唆した。ただ、同時に、「利上げを急ぐ必要ない」と慎重姿勢も維持。同総裁は2018年の投票権を有していない。

2018年の追加利上げ軌道は依然、3回または4回と、見方は分かれたまま。米連邦準備制度理事会(FRB)が23日に公表する5月1−2日開催された連邦公開市場委員会(FOMC)の議事録における、インフレや金利見通しで、何らかのヒントが得られるかどうかに注目が集まる。





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情報提供元: FISCO
記事名:「 NYの視点:ドル、年初来高値達成で警戒感も