中国Eコマース大手、阿里巴巴集団(アリババ・グループ・ホールディング:BABA/NYSE)は第4四半期(2017年1~3月)決算を発表し、売上高が前年同期比59.52%増の385億7900万人民元(約6250億円)、純利益が98.45%増の106億4700万人民元に拡大したことを明らかにした。売上高、希薄化後EPS(4.12人民元)ともに市場予想(それぞれ約359億6400万人民元、約2.43人民元)を上回っている。
全部門で軒並み大幅増収を達成。部門別の売上高は、主力のコアコマースが47.14%増の315億7000万人民元(内訳:主力の中国小売が40.75%増、中国卸売が35.64%増、国際小売が311.69%増、国際卸売が8.17%増など)、クラウドコンピューティングが102.90%増の21億6300万人民元、デジタルメディア・エンターテイメント(優酷土豆、UCウェブなど)が234.49%増の39億2700万人民元、イノベーション・イニシアチブ(YunOS、AutoNaviなど)が87.93%増の9億1900万人民元と急成長している。
全体の営業利益は86.46%増の95億3200万人民元に拡大した。新興3部門が依然として赤字を継続するなか、主力のコアコマース部門が53.73%増の165億人民元と成長して損失をカバーした格好。その他3部門の営業赤字は、デジタルメディア・エンターテイメントで208.59%増の25億8600万人民元に膨らむ一方、クラウドコンピューティングとイノベーション・イニシアチブでそれぞれ16.80%減の5億500万人民元、4.21%減の18億8800万人民元に縮小している。
株式関連報酬費用などを考慮した場合、調整後の希薄化後EPS(非GAAP)は4.35人民元と市場予想(約4.51人民元)を下回った。
自社株買いを強化。向こう2年間で最大60億ドルの自社株を購入する計画を発表し、従来計画と置き換えている。
1999年に馬雲(ジャック・マー)氏が設立した同社は、2003年に開設した消費者向けサイト「淘宝網(Taobao.com)」が大成功を収め、その後の業績が急成長。傘下に「淘宝網」や「天猫(T-Mall)」などの通販サイトを擁する。企業間取引(B2B)にも強く、B2Bの市場シェアで最大規模の「アリババ・ドットコム(Alibaba.com)」を展開する。

【亜州IR】



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情報提供元: FISCO
記事名:「 中国:アリババ4Qが6割増収で利益倍増、調整後EPSは下振れ