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こんにちは、フィスコマーケットレポーターの三井智映子です。将来の年金不安に備えるため、個人が自分で作っていく年金「個人型確定拠出年金(iDeCo)」。このiDeCoについて考えていく連載「三井智映子と始めるiDeCo入門」の第3回をお送りします。
◯iDeCoはどんな投資ができるの?
今回のテーマは「商品選び」。iDeCoでは毎月の掛け金をもとに資産運用を行うのですが、自分で「何をいくら買うか」を決める必要があります。この買った商品の成績が将来受け取る年金額を左右するので、とても重要なポイントです。
iDeCoで運用できるのは、大きくわけて2つ。
(1)元本保証型の定期預金
(2)投資信託(投信)
(1)の定期預金は元本が保証されていますが、この超低金利時代では金利がほとんど付かないのが現実です。
(2)の投資信託は、集めたお金を投資の専門家が代わりに運用してくれる商品。その投資対象は株や債券、不動産などさまざまで、投資する地域も日本、米国、新興国など千差万別。期待できる利益もリスクもバラバラです。
「損するのがこわいから、定期預金でいい」「絶対リスクをとりなくない、投資はしない」という方であれば、元本保証型の定期預金を選んで、掛け金に対する節税メリットを得るだけでも十分、iDeCoをはじめる価値があります。
一方、iDeCoには「運用時の利益が非課税になる」という節税メリットもあります。せっかくのメリット、老後に向けて資産を大きくしたいとお考えなら、利益を狙える投資信託をぜひ利用したいところです。
そこで気になるのが「どの投資信託を買えばいいか」。まず、iDeCoで投資できる投資信託の商品数は金融機関によって大きく異なるので、自分の買いたい商品がラインナップされているかどうか確認してください。
資産作りをする上では、長期で安定的な運用が求められます。そのポイントは分散投資。投資先を分散することでリスクヘッジが可能になります。分散投資の基本は「地域」と「商品」を分けることですので、新興国に投資できたり、不動産が対象になっているJ-REIT(不動産投資信託)に投資できたりするとポイントが高いのではないでしょうか。
◯コスト重視ならインデックス型、手間を減らすならバランス型
次に投資信託選びのポイントですが、先ほどもお伝えしたように「長期の安定運用には分散投資!」。私のおすすめはインデックス型の投信から始めること。
インデックス型は、日経平均株価や米国のダウ平均株価などの指数に運用成績が連動するタイプです。インデックス型は、信託報酬などのコストが比較的安く、日経平均などの動きはニュースでカンタンにチェックできるというメリットがあります。投資経験があまりない方でも、インデックス型の投資信託を保有することで、経済や投資の知識が自然と身に付きやすくなります。
また、世界の資産に自動的に分散投資できるバランス型も良いですね。バランス型は、日本株式、日本債券、外国株式、外国債券に25%ずつ、といったように資産配分が決められているので、マーケットや経済に動きに合わせて配分を調整する「リバランス」の手間もいりません。
そして、ちょっとコストが割高でも全部プロにお任せしたい方向けには「アセットアロケーション型ファンド」や「ターゲットイヤー型ファンド」と呼ばれる商品も、近頃は多数ラインナップされています。マーケットの環境変化や保有年数に応じて資産配分の決定や投資対象資産の組入れなどのメンテナンスをやってくれる至れり尽くせりのタイプです。
◯iDeCoはあくまで資産の一部。トータルで管理を!
最後に、iDeCoを活用する上で大切なのが、自分の資産をトータルで管理していくこと。iDeCoは利用できる掛け金に上限がありますし、あくまで資産の一部です。現物株や債券など、ほかのマネー商品と総合的にメンテナンスしていくことで、安定的に資産づくりが行えます。
また、メンテナンスはずっと行っていくものなので、なるべく資産額のチェックや手続きが一元的に行えるしくみがあったほうが負担は減ります。実は「iDeCoだけしか管理できない、ほかの商品は別管理」という金融機関も少なくありません。そもそも、銀行と証券会社など金融機関のタイプによって、マネー商品の品揃えがまったく異なります。ラインアップの豊富さでいえば、ネット証券。たとえば、総合的に商品があり、しかもiDeCoとほかのマネー商品の管理がまとめて行える会社では、楽天証券などがあります。
長期的にお付き合いすることになるiDeCo。コストや管理のしやすさなど、複合的に金融機関をチェックして、後悔しないiDeCo生活を送りたいですね。
三井智映子と始める「iDeCo入門」は、三井智映子の見解でコメントしています。
フィスコマーケットレポーター 三井智映子
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