トランプ政権が掲げている政策の中で鍵となる医療保険制度改革案が共和党内の意見がまとまらず難航している。医療保険制度改革が成立しないと、トランプ政権の経済政策の柱となる税制改革も進まない。民主党が80年かけて成立させた複雑な保険制度を覆すことはたやすいことではないことは想定内。

トランプ大統領の勝利、就任を経て、投資家は減税やインフラ、規制緩和といった経済政策をすでに織り込んできた。トランプ大統領は掲げていた政策実施に向けて着々と対応を続けている。その傍ら、民主党が政治的な動きから意図的にトランプ政権の主要人事承認を遅らせておりなかなか主要メンバー、チームがそろわない。このため、積極的な移民法改革案の実施や意図的な機密のリークなどが問題となっている。米連邦捜査局(FBI)が米国大統領選におけるロシアの影響を引き続き捜査していることを明らかにするなるなど、現政権に対する向かい風も相当なもの。国民や企業が期待している減税、法人税率の引き下げの実施にはなかなかメドがたたず早くても本年後半になる可能性が、予想されていたとはいえ失望感にもつながっている。

そんな中、関係筋によると、ホワイトハウスはムニューシン米財務長官とともに、鍵を握る役割を担う通貨監査官に前ワンウェスト銀行の重役、ジョセフオッティング氏を指名するようだ。様々なノイズにもかかわらず、トランプ政権は選挙中に公約した政策を速やかに実行していくことが、消費者の信頼感、今後の景気見通しや金融市場動向にとり非常に重要となる。





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情報提供元: FISCO
記事名:「 NYの視点:トランプ政権、経済政策実施にむけたハードル高く