こんにちは、フィスコリサーチレポーター三井智映子の「気になるレポート」です。
天然ゴムの値動きが気掛かりですね!
松永さんも、『天然ゴム市場を取り巻くファンダメンタルズの変化に目を向けるところにきているのでないでしょうか』と投げかけています。
その根拠についてですが、まずはタイの洪水に関して、『今回のタイ南部の洪水により、タイの天然ゴム生産が36万トン減少すると見られております』とのことで、洪水によって2017年の世界の天然ゴム生産が3%減少する計算となっているようですが、『2017年の世界の天然ゴム生産が3%ほど減少したとしても、天然ゴム価格が4か月間で2倍強にまで高騰したことは、「行き過ぎ」と考えるべきかもしれません』という分析しています。
加えてこの3%の減少に関しては『タイ政府と中国政府による備蓄在庫放出で十分補える量であり、それに世界最大の天然ゴム生産会社であるスリトラン・アグロインダストリーによる2017年の大幅増産計画が加われば、世界の天然ゴム需要が供給過剰に陥るには十分かもしれません』と伝えています。

また報道もありました中国製タイヤの不正については、『米商務省は1月23日、中国製のバス・トラック用タイヤに関し、市場価格を下回る不当に安い価格で販売されており、不公正な補助が認められるとして、38.61~65.46%の相殺関税と9~22.57%の反ダンピング・相殺関税を課することを最終決定しました』とのことで、もし米政府機関制裁関税の導入が確定することになれば、『中国のタイヤ生産が大打撃を受けることになり、上海ゴムの急落を招く恐れがあります』と伝えています。そして、中国の12月の工業部門企業利益、2016年の国有企業の利益がともに大幅減少したことに関しては、『資源価格が高騰したことにより、製品価格に転嫁することが出来なくなっているようです。こうしたことを考えると、中国の資源銘柄の高騰は、限界点に達したと考えるべきかもしれません』との見解を述べています。
これを受けて、米中の動きをはじめとした天然ゴム市況を注視して参りましょう。


上記の詳細コメントは、ブログ「松永総研~北浜の虎と呼ばれた男~」の2月1日付「天然ゴム市場パート3にまとめられていますので、ご興味があればご覧ください。

フィスコリサーチレポーター 三井智映子




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情報提供元: FISCO
記事名:「 天然ゴム市場の急落に備えよ!、サンワード貿易の松永氏(三井智映子)