2月4日は立春。今年はトランプ米新大統領の連日連夜の活動で、市場の“アノマリー”など気にしている場合ではないかもしれませんが、いわゆる“節分天井”のタイミングです。

しかし、海外、特に欧州など緯度の高い地方では、春先に強気に転じやすいとする説もあります。

これに関係しているのが、セロトニンという脳内物質です。やる気の源になり精神をコントロールします。逆に少ないと、うつ病を誘発するとされるホルモンです。1月に東北大学が、セロトニンが少ないショウジョウバエは、求愛行動はするもののプラトニックな愛を貫くという研究を発表し、大きく報道されました。

そのセロトニンは、日光を浴びることで増えます。この日照時間と人々の気分については、各種の研究で関係性が示されています。ということは、投資行動にも日照時間が影響を与えているのでは…そう考えて調べてくれた機関がありました。米アトランタ連銀です([a:http://mail01.monex.co.jp/?4_123474_14186_4]WinterBlues:ASADStockMarketCycle)。

日照時間以外のアノマリーをできるだけ排除して分析した結果、地域によっては、日照時間が短い間は株価が上がりにくい、という結果が出ています。日本はそうでもないのですが、欧州など緯度が高く年間の日照時間の格差の大きい地域ではその特性が強く出ています。

偶然も大いにあるでしょうが、たとえば、北欧の銀行危機の1990年代初頭、北欧市場が底を打ったのは1991年1月でしたし、英国が財政問題にあえいでいた1970年代半ばの最安値も1974年12月でした。

その後の研究結果も分かれているので、市場と日照時間の関係は立証されているわけではありません。しかしもし、セロトニンに裏付けされた強気センチメントが春とともに訪れるとすれば、今年の春先以降の欧州の各種選挙後の株価にも少しは追い風--になればいいのですが。

マネックス証券チーフ・アナリスト大槻奈那
(出所:1/30配信のマネックス証券「メールマガジン新潮流」より、抜粋)




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情報提供元: FISCO
記事名:「 コラム【アナリスト夜話】:立春後の相場を『強気』に変える?脳内物質(マネックス証券 チーフ・アナリスト 大槻 奈那)