17日のニューヨーク外為市場ではリスク回避のポンド売りが縮小し、ポンド・ドルは一時1.1439ドルまで上昇。ポンド・円は一時170円を上回った。英国のハント財務相はトラス首相の経済対策を撤回し、大規模なエネルギー支援策を縮小すると発表したことなどがポンド買いにつながった。報道によると、ハント財務相は計画されていた所得税減税を見送り、配当税の税率引き下げと酒税凍結の計画も撤回する。この措置によってトラス首相が打ち出していた450億ポンド規模の減税案および支援策のほとんどすべてが撤回される。この措置を受けて英国債や欧州各国の債券利回りは低下し、欧米諸国の株式は強含みとなった。

 英国政府が大規模減税計画を撤回したことを市場は評価しているようだが、英与党・保守党の支持率は回復していない。英BBCの報道によると、トラス首相は党首選で掲げた公約を撤回しても国益のために首相の職にとどまるもようだが、ハント財務相は一部増税の可能性を示唆している。ウクライナ支援に絡んで国防費増額の可能性も浮上していることから、英国内では政府の財政政策全般に対する批判的な見方が強まり、政権運営はさらに難しくなる可能性がある。
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情報提供元: FISCO
記事名:「 英国政府は大規模減税計画を撤回