中国人民銀行(中央銀行)は8月15日、中期貸出制度(MLF)の1年物金利を2.85%から2.75%に、7日物リバースレポ金利を2.1%から2.0%に引き下げた。金利引き下げは予想されていなかった。ただ、7月の小売売上高と鉱工業生産は市場予想を下回っており、金利引き下げは正当化されたとみられている。市場参加者の間からは「中国のゼロコロナ政策はサービス業などに打撃を与えており、家計消費を圧迫している」との声が聞かれている。ただ、一部の参加者は「ゼロコロナ政策が個人消費を圧迫することは明白であり、理由は不明だが中国政府は景気減速を意図しているように思える」と指摘している。
 なお、国際通貨基金(IMF)は10月に最新の世界経済見通しを公表する予定だが、中国の一部地域における行動制限などが続いた場合、不動産市況の悪化などの影響もあるため、中国の2022年成長率予測は7月時点の3.3%から引き下げられる可能性がありそうだ。
<MK>
情報提供元: FISCO
記事名:「 中国の2022年成長率予測はさらに引き下げられる可能性も