日EU・EPAが成立した背景には、トランプ大統領の「アメリカ・ファースト」政策による、自由貿易への悪影響が懸念されたことも大きい。それでも、相互の利害を調整して、巨大な自由市場を作り上げることの困難さは想像に難くない。EPAを構成するルール作りにおいて、日本が果たした役割は決して小さくはない。事実、米議会調査局のレポート、“EU-Japan FTA: Implications for U.S. Trade Policy”では、時を前後して2018年12月に発効した、環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定(Comprehensive and Progressive Agreement for Trans-Pacific Partnership: CPTPP)締結の際に、日本が発揮した協調的リーダーシップも評価されている。