米労働省が8日に発表した2月雇用統計では、非農業部門雇用者数が前月比+2.0万人にとどまり市場予想の同比+18万人程度を大幅に下回ったことから、一部で年内利下げ観測が浮上した。ただし、雇用統計は一般的に遅行指標と見なされていること、非農業部門雇用者数の3カ月平均は18.5万人増で順調な伸びを見せていること、平均時給の上昇率が市場予想を上回ったことから、「米雇用は依然堅調」との見方も少なくないようだ。

 ただし、2月の雇用統計はインフレ加速につながる内容ではないこと、インフレ関連の他の経済指標もインフレ加速を示唆していないとの見方が多いことから、米長期金利の大幅な上昇は期待できないとの声が聞かれている。

 ところで、今週12日に英国議会下院でメイ首相の修正欧州連合(EU)離脱案の採決が行われる。市場では修正離脱案は否決されると想定しており、合意なき離脱の是非を問う採決の結果に関心が向けられている。採決は13日にも行われるもようだが、議会が合意なき離脱を否決し、英国がEU離脱期限の延期を選択しても問題解決に至る保証はないとみられており、英国の政治不安を嫌ってポンド売りはしばらく続く可能性がある。


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情報提供元: FISCO
記事名:「 欧米の政治・経済リスク