市場関係者の間では、今週9日に米ワシントンで開かれる新たな通商協議(FFR)の初会合に対する関心が高まっている。米通商代表部(USTR)のライトハイザー代表は先月26日、米上院の公聴会で「米国は日本との間で慢性的な貿易赤字を抱えており、輸出に際して不公平な貿易障壁があると考えている」と指摘しており、FFRを通じて日本との自由貿易協定(FTA)を要求していくとの考えを示している。為替相場などにすみやかな影響を及ぼすとの見方は少ないものの、市場関係者の多くは初会合の結果を注目している。

 なお、日本側は「日米通商協議は米国側が求めているFTAの予備協議ではない(西村官房副長官)」との立場であり、エネルギー輸入と対米直接投資の促進などを通じて双方に利益が生じるような対応を検討しているもようだ。ただ、市場関係者の間では「日本側は日米関係の悪化を覚悟してFTAの要求を拒絶するとは思えない」との声が聞かれており、一部では今回の会合はFTAの予備協議になることを想定している。


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情報提供元: FISCO
記事名:「 日米通商協議の見通しは不透明