複数の関係筋によると、日本銀行は今月30−31日の金融政策決定会合で、現行の金融緩和策の悪影響を減らす方策について議論を開始するもようだ。日銀は昨日、10年国債利回りの上昇を抑えるために指値オペ(10年351回債利回り0.11%)を通知した。金融市場調節によって長短金利の操作を行う「イールドカーブ・コントロール」について、現時点でこれを変更または停止する意図はないことを市場に伝えたとみられる。指値オペの通知を受けてリスク回避的なドル売り・円買いは一服した。

 ただし、長引く超低金利によって一部金融機関の経営悪化や年金の運用難などの問題点が指摘されており、日銀は対応策について早急に検討を開始する必要があると判断したとみられる。市場関係者の大半は「現行の金融緩和策の枠組みが大きく変わることはない」と想定しているようだが、国債買い入れについて最近では年間80兆円ペースを大幅に下回る状況となっている。国債買い入れの実質的な縮小が円高進行を促す要因となる可能性があることから、日銀はこの点について何らかのメッセージを発信する可能性がある。



<MK>

情報提供元: FISCO
記事名:「 日銀金融緩和策の行方