英国のデービス欧州連合(EU)離脱担当相とジョンソン外相の辞任を受けて英国政治の流動化に対する警戒感が高まっている。アンジョンソン外相は2016年の国民投票で、離脱支持を積極的に呼び掛けていた人物。同氏は英政権がEU離脱後も緊密な通商関係を維持する方針を示していることに強い懸念を表明しており、辞任の主な理由になったとみられている。

 メイ首相は「EUは離脱交渉において、方針を変更する必要がある、さもないと合意できない可能性がある」との見方を伝えた。EU離脱支持派の保守党議員らは首相交代を主張していないことから、ポンド売りは一服したが、国内政局流動化への懸念は残されている。

 英国のEU離脱期限は2019年3月に設定されている。報道によると、メイ首相はEU離脱担当相にドミニク・ラーブ議員を指名した。英国政府は、EU離脱後の貿易政策および関税制度の概要を週内に公表するとみられていたが、EU離脱担当相の交代によって、一部の市場関係者は貿易政策および関税制度の概要公表は遅れる可能性があると指摘し、ポンド売り材料になることを警戒している。

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情報提供元: FISCO
記事名:「 英政府による貿易政策および関税制度の概要公表は遅れる可能性