欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁は27日、「ユーロ圏の景気回復が強まっている兆候があり、デフレ圧力はリフレに変わった」、「インフレを抑制している要因は主に一時的なもの」との見方を示したことから、同日の欧米市場で主要通貨に対するユーロ買いが活発となりました。28日の東京市場でユーロ・ドルは昨年8月以来となる1.1355ドルまで上昇、ユーロ・円は昨年4月上旬以来となる127円41銭まで買われています。

 ドラギ総裁は「インフレ基調が持続的・自律的になるためには、かなりの金融緩和がなお必要」と指摘していますが、ECBの債券購入プログラムは今年後半以降に微調整されるかもしれません(減額調整)。2018年以降は大幅に縮小される可能性があることから、ユーロ圏諸国の債券利回りは総じて上昇し、欧州諸国の株式相場は圧迫されるおそれがあります。

 米国(FRB)と欧州(ECB)が金融緩和の解除を進めた場合、欧米諸国や新興国の株式市場は打撃を受けることになりそうです。日本銀行が現行の金融緩和策を維持しても世界の金融市場が安定する保証はなく、為替の動きは予測困難になりそうです。


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情報提供元: FISCO
記事名:「 欧米の金融緩和策縮小で何が起きるのか?