16日の日本株市場は、堅調な相場展開になりそうだ。15日の米国市場はNYダウが383ドル高だった。11月小売売上高が予想以上に鈍化したことが嫌気されて売りが先行したものの、バイデン大統領の首席医療顧問で米国立アレルギー感染症研究所(NIAID)
のファウチ所長は「オミクロン株に特化したワクチンは今のところ必要ない」との発言を受け、警戒感が後退し下げ止まった。その後、米連邦準備制度理事会(FRB)が米連邦公開市場委員会(FOMC)でゼロ金利据え置きや量的緩和縮小規模を2倍とする想定通りの結果が好感され、上昇に転じた。シカゴ日経225先物清算値は大阪比395円高の28865円。円相場は1ドル114円00銭水準で推移している。

 シカゴ先物にサヤ寄せする格好からギャップスタートとなろう。FOMCの結果は想定内との見方からアク抜け感が強まりやすい。日経平均は足元で上値を抑えられていた25日線を捉え、29000円水準に位置する75日線を意識したトレンド形成が期待されそうだ。また、直近の調整ではFOMCへの警戒からグロース株が売られており、TOPIX型優位の展開だったが、米ハイテク株の強い動きなどから日経平均型へのリバランスの動きが意識されよう。

 もっとも、FOMC通過で海外勢のフローは減少すると見られており、買い一巡後はこう着感が強まる可能性はありそうだ。ただ、これについては予想されていることもあり、利食いに押される局面においては押し目狙いのスタンスとなろう。年内の重要イベント通過により、改めて来年を意識したポジションを取りに行く動きも出てきやすいと考えられる。

 また、海外勢のフローが減少する一方で、個人主体の物色に関心が集まりやすい。IPOラッシュによる資金確保のための換金売りも一巡した感はあり、イレギュラー的に売られている銘柄などへのリバウンドを狙った短期的な商いも増えてくると見られる。また、来週はIPOが集中することになるが、これが通過すれば利確資金の還流なども意識されてくるため、足元の弱い値動きを見せている銘柄などへは、より押し目を意識したポジションを取りに行く動きも出やすいだろう。
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情報提供元: FISCO
記事名:「 FOMCの結果は想定内との見方からアク抜け感が強まりやすい