17日の日本株市場は、買い先行後はこう着感の強い相場展開になりそうだ。16日の米国市場はNYダウが63ドル安だった。8月小売売上高や9月フィラデルフィア連銀製造業景況指数の良好な結果を受けて、景気回復期待が再燃。しかし、新規失業保険申請件数の増加で雇用や景気回復への懸念がくすぶったほか、金利先高感を警戒した売りに下落に転じた。シカゴ日経225先物清算値は大阪比135円高の30335円。円相場は1ドル109円70銭台で推移している。

 シカゴ先物にサヤ寄せする格好からやや買い先行で始まることになろう。米国市場はNYダウ、S&P500が下落する一方で、ナスダックは上昇している。米国では週末にSQを控えていることもあり、手掛けづらいところだったと考えられる。とはいえ、警戒されていた小売売上高やフィラデルフィア連銀製造業景況指数が予想を上回ったことは安心感に繋がりそうである。

 ただし、寄り付き後は中国市場の動向に市場の関心が向かいやすく、引き続き中国不動産大手の信用リスクに対する警戒感から模様眺めムードが強まりやすいところ。
中国や香港市場が落ち着いた値動きを見せてくるようであれば、短期筋のショートカバーの動きも意識されてくるだろうが、週末要因もあって積極的に上値を買う動きは期待しづらいところ。

 もっとも、国内では政策期待が高まっているほか、海外勢による日本株比率を引き上げる動きへの思惑は根強い。9月2週の投資主体別売買動向では海外投資家は現物と先物合算で1兆円超買い越していることもあり、底堅さは意識されやすいと考えられる。また、昨日は先物市場で一時30020円まで売られる場面が見られたものの、3万円をキープしていることも同水準での押し目買い意欲の強さとともに、売り方にとっては売り込みづらい水準であろう。

 来週は祝日を挟んで手掛けづらい状況ではあるものの、本日の自民党総裁選の告示を受けて、一段と政策機運が高まりやすくなることから、短期的に売られる局面においては、押し目狙いのスタンスになりそうだ。
<AK>
情報提供元: FISCO
記事名:「 自民党総裁選の告示を受けて、一段と政策機運が高まりやすくなる