12日の日本株市場は、波乱含みの相場展開ながら、底堅さを見極めることになりそうだ。11日の米国市場では、NYダウが1464ドル安となった。世界保健機関(WHO)は11日、新型コロナウイルスの感染拡大は「パンデミック」だと宣言したことが嫌気された。ダウは高値から20%下落した水準を割り込み、弱気相場入りした。シカゴ日経225先物清算値は大阪比205円安の19165円となり、安いところでは18930円まで下げ幅を広げる局面もみられた。円相場は1ドル104円40銭台で推移している。

 WHOによるパンデミック宣言により、再びはニック的な流れになりそうだが、WHOは2日前に、世界的大流行を指すパンデミックに近づいているとの見方を示していたこともあり、想定されていたことであろう。先物主導によるインデックス売買の影響から売りが先行する格好になりそうだが、まずは直近安値水準での踏ん張りを見極めたいところであろう。

 直近の日経平均の19000円割れで、いったんは目先的な底入れが意識されていただけに、これを割り込むことなく、底堅さが意識されてくるようだと、落ち着きをみせてくる可能性がありそうだ。日銀は18-19日の金融政策決定会合で、追加緩和を視野に議論を行うが、緩和手段としてはETFの買い入れ目標引き上げが有力な選択肢となる。

 また、政府は景気減速に対応し、4月に緊急経済対策をとりまとめる検討に入ったと伝えられている。臨時休校などで休業を余儀なくされる子育て世帯への支援が中心で、現金給付案などが浮上しているようであり、これらの取り組み姿勢が相場の下支えとして意識されそうである。

 明日の先物オプション特別清算指数算出(SQ)を前に波乱とは言え、SQ通過後の需給面での落ち着きも期待されるところ。VIX先物に対するショートポジションの解消も進捗していることもあり、次第に落ち着きを取り戻す展開に期待したいところであろう。市場はこれまでの世界の金融緩和政策に伴う過剰流動性相場によって株式市場に積み上がったロングポジションの逆流も警戒されている。しばらくは波乱含みとなろうが、まずは、日経平均が19000円を割り込まずに踏ん張りを見せられるかが注目される。


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情報提供元: FISCO
記事名:「 日経平均19000円は心理的な踏ん張り処