12日の日本株市場は、短期的な過熱感を警戒しつつも、底堅い相場展開が見込まれる。11日の米国市場ではNYダウが227ドル高と続伸となり、ナスダックは85ポイント高と反発した。新製品・新サービスを発表したアップルが3%を超える上昇となり、ハイテク銘柄に買いが広がり、堅調推移となった。シカゴ日経225先物清算値は大阪比105円高の21665円。円相場は1ドル107円80銭台と円安に振れて推移している。

 欧州中央銀行(ECB)理事会での金融政策発表を見極めたいとの思惑のほか、直近で日経平均は7営業日続伸となっていることもあり、戻り待ちの売りが出やすいところであろう。ただ、中国が追加関税からの除外品目を発表したものの、トランプ政権にとって重要な農産品が含まれなかったが、米国市場の反応は限られており、米中協議への進展期待は維持されているだろう。

 また、ECB理事会での利下げは想定済みであり、慎重姿勢にはなりづらいだろう。日経平均の7営業日続伸による過熱感を警戒する流れも出やすいところではあるが、新規買いの流れが強まったというよりも、出遅れていた銘柄への買い戻しに伴うリバランスが中心と考えられる。日経平均は8月戻り高値水準を捉えてきたほか、前日までの金融株の強い流れのなかで一旦は達成感も意識されやすいところではある。ただし、米国では織り込み済みとはいえ、アップル効果からハイテク株が堅調となっていることもあり、ハイテク株が下支えとなる可能性がありそうだ。

 その他、昨日は特に指数インパクトの大きいファーストリテ<9983>、ソフトバンクG
<9984>が冴えないなかで日経平均は200円を超える上昇をみせており、TOPIX型優位の展開となっている。週末に先物オプション特別清算指数算出(SQ)が控えているため、限月交代に伴うロールオーバーが中心ではあるが、節目の21500円を突破したことにより、権利行使価格の中心レンジの切り上がりが意識されている。水準が切り上がることでよりショートカバーを誘い込みやすいだろう。

 そのため、権利行使価格が21500円処から21750円処まで切り上がりを見せてくる相場展開も意識しておきたいところであろう。もっとも、米中協議への進展への期待感はあるものの、依然として総強気ムードにはなりづらいところである。基本的には。
これまで強いトレンドを形成していた銘柄への利益確定に対して、出遅れている銘柄への巻き戻しといったスタンスとみておきたい。


<AK>

情報提供元: FISCO
記事名:「 短期的な過熱感を警戒しつつも、底堅い相場展開