27日の日本株市場は、配当落ちの影響から反落してのスタートとなるが、海外株高のほか、日銀のETF買い入れへの思惑により、底堅い相場展開になりそうだ。26日の米国市場は、NYダウが140ドル高となった。長期金利の低下が一服し、景気後退懸念が和らいだほか、原油相場の上昇が材料視された。シカゴ日経225先物清算値は大阪比120円高の21270円。円相場は1ドル110円50銭台と、やや円安に振れて推移している。

 配当落ちによる影響であるが、日経平均で175円程度、TOPIXで17Ptほどとみられており、そのためシカゴ先物水準からのスタートとなろう。その後はこう着感が強まる展開となりそうだが、配当落ちの影響にかかわらず、下落局面において日銀のETF買い入れが下支えとして意識されることになりそうだ。

 米中交渉やEU離脱を巡る英議会の動向を注視したいとの思惑から積極的な商いは限られそうだが、景気後退懸念が和らいでいることもあり、一昨日の大幅下落に対するショートカバーも、相場の下支えとして意識されることになりそうだ。また、配当落ち分の即日吸収を想定する向きは限られているとみられているため、予想以上の底堅さがみられるようだと、実質新年度相場入りを意識した資金流入が期待されてきそうだ。

 また、テクニカル面では一昨日の大幅下落でシグナルが悪化傾向にあったが、昨日の上昇でこれを回避している。本日の配当落ち分を考慮しても、底堅さが意識されることから、下へのバイアスは強まり難いだろう。市場は大型連休を前に4月下旬にかけてポジション圧縮の動きと考えられるものの、それまでは短期筋の値幅取り狙いの資金が集中しやすいとみておきたい。


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情報提供元: FISCO
記事名:「 実質新年度相場入りを意識した資金流入への期待も