9日の日本株市場は買い先行の展開となろう。注目されていたトランプ米大統領による関税計画の詳細発表では、カナダとメキシコへの関税適用を除外し、他の同盟国にも交渉余地を残すことが明らかとなった。既に報道されていたことではあるが、一先ず貿易戦争への警戒感が和らぐ格好となろう。米国市場の上昇を受けて、シカゴ日経225先物清算値は大阪比265円高の21465円となり、これにサヤ寄せする格好から幅広い銘柄が買われる格好になりそうだ。

 また、先物・オプション特別清算指数算出(メジャーSQ)を迎える。米国市場の上昇の流れもあってSQ値は高い位置で決まる可能性がある。寄付き後はこれが心理的な上値抵抗として意識される可能性がありそうだが、とは言えメジャーSQ通過によって手掛け易さが意識されてきそうである。

 その他、買い一巡後は米雇用統計を控えて模様眺めムードが強まる可能性はあるが、先のADP雇用報告の上振れにより、利上げペース加速といったコンセンサスは変わらないだろう。また、VIX指数の落ち着いた動き等もあり、底堅い展開に期待したいところである。なお、森友学園問題での財務省決裁文書の「書き換え疑惑」による国内政治不安の高まりには注視しておく必要がありそうである。
(村瀬智一)


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情報提供元: FISCO
記事名:「 貿易戦争への警戒感和らぎ底堅い相場展開へ