19日の日本株市場は、前日の下げに対する自律反発後は、もち合いレンジでのこう着が続きそうだ。18日の米国市場は前日の大幅上昇を受けて利益確定の売りが優勢だった。また、住宅や製造業関連指標が予想を下回ったことも嫌気された。ただ、それでもNYダウは下値切り上げのトレンドが継続している。シカゴ日経225先物清算値は大阪比55円高の23825円だった。

 円相場は1ドル111円ちょうど近辺で推移しており、連動性は薄れているものの、111円を割り込んでくるようだと、輸出関連などへの利益確定に向かわせやすいだろう。また、想定されていたことではあるが、19日に米暫定予算期限切れとなるため、やや波乱も警戒しておく必要がありそうだ。また、日銀内で金融政策の正常化に向けた意見が出始めているとの報道が、昨日の後場からの下げにつながったとの見方がされている。オペ減額をきっかけとした市場の正常化先取りの動きなども売り仕掛け材料になりそうだ。

 そのため、もち合いレンジ内での推移は継続。リバウンド基調が強まったとしても、いったん戻りの鈍さが意識される局面では、先物主導での売り仕掛けが出やすいだろう。来週から決算発表が本格化することも様子見をさせる要因になりそうだ。そのため物色は業績等を手掛かりとした個別物色のほか、来週22日召集の通常国会への法案に関連したテーマ株などが循環的に物色されよう。働き方改革のほか、カジノ関連なども短期資金が向かいそうだ。その他、仮想通貨関連も引き続き注目される。
(村瀬智一)


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情報提供元: FISCO
記事名:「 先物主導での売り仕掛けが出やすいところ