14日の日本株市場は、不安定な相場展開が続きそうである。13日の米国市場は、債券利回りの低下や原油相場の下落、シリア・北朝鮮問題で地政学的リスク等が嫌気され、NYダウは130ドルを超す下落となった。シカゴ日経225先物清算値は大阪比45円安の18355円、円相場は1ドル109円15銭辺りでの推移に。

 シカゴ先物にサヤ寄せする格好から売り先行で始まろう。その後は短期筋のショートカバー等も意識され、下げ渋りの展開といったところか。また、昨日決算を発表したファーストリテ<9983>が日経平均を下支えすることになりそうだ。全体としては、明日15日の北朝鮮金日成国家主席の生誕105周年を控え、これを無事通過するのを見極めたいところである。

 欧米市場が休場となるため、海外勢のフローは限られることから、トレンドは出難いと考えられる。もっとも、薄商いの中では小さなエネルギーでも大きく反応をみせてくるため、北朝鮮に関する報道等を警戒しつつ、短期的な値幅取り狙いが中心になりそうだ。なお、米S&P業種別指数は全面安となっているが、JPモルガン、シティの決算はいずれもコンセンサスを上回っている。利上げやトランプ相場を背景にトレーディング収入が好調だった。金融セクターの下支え要因になりそうである。
(村瀬智一)


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情報提供元: FISCO
記事名:「 地政学リスク警戒もファーストリテが日経平均を下支え