[日経平均株価・TOPIX(表)]

日経平均;22234.80;-299.52TOPIX;1561.63;-18.87

[後場の投資戦略]

 前場の東京株式市場の下げは、昨日の米国株安によるリスクオフムードの広がりが主な要因だ。新型コロナウイルス感染再拡大が現実のものとなりつつあり、市場は不安になっている。しかし、新型コロナウイルスの感染拡大は第1波で一度経験している。大規模な経済活動の縮小を行わずに感染再拡大を抑え込むことも可能といえる。
それでも、株式市場が新型コロナに対する警戒感を完全に払しょくすることはできない。警戒感の払しょくには、ワクチンや治療薬の開発が不可欠だ。これにはまだまだ時間がかかろう。それまでは新規感染者の増減などに一喜一憂しつつ相場形成していくことになる。昨日の米国市場は「一憂」したが、一方で「一喜」となる日もあるだろう。株式市場も「ウィズコロナ」だ。

 では、新型コロナを警戒しつつ、当面拠り所とすべきは何か。6月の米国市場を振り返ると、ダウ平均の上げ幅が最も大きかったのは6月5日の829ドル高。この日は、5月の雇用統計が発表され、予想以上の雇用回復を受け、大幅高となった。6月のダウ平均上昇幅第2位は6月3日の527ドル高。米国の5月ADP雇用統計やISM非製造業指数が予想を上回ったことを好感した。第3位は6月16日の526ドル高。5月の小売売上高が過去最大の伸びとなり、株価を押し上げた。経済統計の市場への影響力は大きい。

 今晩、米国で新規失業保険申請件数と5月の耐久財受注額、明日26日には5月の米個人所得・個人消費支出が発表される。さらに、来週は日本の5月の失業率や鉱工業生産など重要統計の発表が目白押しとなる。今日までの6月相場に倣うならば、いずれかの統計発表が株価を押し上げる可能性は小さくないかもしれない。「ウィズコロナ」の株式市場でも経済統計への目配りは欠かせない。

 さて、後場の株式市場は、底堅い動きになるとみる。4月以降の日経平均は25日移動平均線が下値支持線となっている。本日も一時は25日線を割り込む場面が見られたが、押し目買いも入り、前引けに間際にかけては同移動平均線が位置する水準を回復してきている。また、前場のTOPIXが1.19%下落していることから、日銀によるETF買いの思惑も働きやすい。そのため、この先も下値では押し目買いが入る形で底堅く推移しそうだ。



<AK>

情報提供元: FISCO
記事名:「 感染第2波現実味で市場心理悪化、後場は日銀ETF買いを意識