[日経平均株価・TOPIX(表)]

日経平均;20349.21;-41.45TOPIX;1477.14;-3.48

[後場の投資戦略]

 前日の米国株が高安まちまちだったこともあり、本日の日経平均は前日終値を挟みもみ合い、方向感に乏しい展開となっている。日足チャート上では20040円近辺に位置する5日移動平均線と20730円近辺に位置する75日移動平均線に挟まれ、ややこう着感を強めている印象。売買代金上位では半導体関連や内需系のグロース(成長)株が堅調で、時価総額上位の自動車株や銀行株は軟調。前日の上昇が急だった空運株も反落している。業種別騰落率を見ても海運業などの景気敏感系バリュー(割安)株の上げが一服し、内需・ディフェンシブセクターなどに資金が向かっている。ここまでの東証1部売買代金は1兆円程度。新興市場ではマザーズ指数が続伸しており、中小型株の循環物色は続いているようだ。

 新型コロナの感染ペース鈍化に伴う経済活動の再開期待は後退しておらず、「恐怖指数」とされる米株の変動性指数(VIX)もなお低下傾向にある。ただ、国内外の市場関係者からは、現在の株価水準は経済再開の期待を織り込んだ水準であるとの見方や、拙速な活動再開による感染第二派の到来リスクを指摘する声などが出始めた。日経平均は前日の取引時間中、当面の上値めどの1つとされていた20500円に到達し、こうしたリスク要因に改めて関心が向かいやすいタイミングでもあるだろう。景気敏感系バリュー株のリバーサル(株価の反転上昇)が一服し、コロナ禍でも相対的に堅調な業績が見込めるセクター・銘柄が改めて買われているのは日米とも同じだ。

 今週は14日に政府による緊急事態宣言の見直しが予定されているほか、海外でも15日に米中で4月の小売売上高や鉱工業生産といった経済指標の発表が控えている。これまで期待を先取りしてきただけに、これらの結果や内容、その後の市場反応を見極めたいとの思惑も徐々に出てくるだろう。

 こうしたなか、本日後場にはトヨタ自の決算発表があり、日本企業全体の業績動向を探るうえでも注目されそうだ。決算発表は13時10分で、13時15分からは決算説明会が開催される。市場予想のコンセンサスは営業利益で2020年3月期2兆4800億円、21年3月期が1兆8800億円程度となっている。なお、今週は決算発表のピークでもあり、本日はトヨタ自のほか資生堂<4911>やダイキン<6367>、ホンダ<7267>が発表を予定している。
(小林大純)


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情報提供元: FISCO
記事名:「 各種イベント控えまずはトヨタ決算