ブラジル経済が原油高や通貨レアル安の同時進行で打撃を受けている。レアルの対米ドル為替レートは約2年ぶりのレアル安水準で推移しており、同国の金融当局はこのほど、レアル買い・ドル売りの為替介入に踏み切った。

原油高やレアル安の同時進行に伴う国内のディーゼル価格の上昇がトラック業界の利益を大きく圧迫している。燃料価格の引き下げ交渉が行き詰まったため、同業界は5月末から全国範囲で約1週間のストライキを実施した。鉄道整備が遅れているブラジルでは、トラック業界のストライキが全国の物流を麻痺させていた。トラック運転手のストライキ期間では、ガソリンスタンドでは燃料の供給が出来なくなるほか、スーパーマーケットでは野菜などの物資供給がストップしていた。また、航空便のキャンセルが相次いでいることも報告された。

中国の専門家は、ブラジルにおける鉄道の整備が遅れているため、物資の輸送などがトラックに頼っているという弱点があると指摘。原油高の進行に伴う財政補填が拡大されるため、脆弱なブラジル財政が一段と悪化する恐れがあると警告した。

なお、ブラジル中央銀行がエコノミスト約100人を対象に実施した最新調査では、2018年の国内総生産(GDP)成長率予想が前回の2.37%から2.18%に下方修正された。


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情報提供元: FISCO
記事名:「 【中国の視点】ブラジル経済、原油高・レアル安の同時進行で打撃受ける