ブラジル地理統計院は10日、2017年のインフレ率が2.95%となり、2016年の6.29%を大幅に下回ったと発表した。これは19年ぶりの低水準を記録したほか、年初に設定されたインフレ目標3-6%をクリアした。

インフレ率の低下を受け、ブラジル中央銀行は同日、今後はマクロ経済の運行状況やインフレ率などを見極め、基準金利を調整すると示唆した。なお、ブラジルのインフレ率はここ数年、高いレベルを継続していた。2015年のインフレ率は10.67%まで加速。中銀は昨年12月6日、政策金利であるセリック金利を50bp(ベーシスポイント)
引き下げ、過去最低となる7.00%とした。

また、ブラジル政府は10日、ブラジル経済がすでに景気後退から脱却しており、インフレ率の低下が経済発展に好影響をもたらすとの見方を示した。

一方、中国の専門家は、ブラジルのテメル政権が進めている年金改革案について、予想より遅れていると指摘。年金改革案が議会で採決されなければ、同国が格下げされる可能性が高いとの懸念を示した。これは財政再建に悪影響を与えるほか、健全な経済発展の足かせになると警告した。

なお、ブラジル政府は昨年12月、昨年内に予定されていた年金改革案の採決を2018年2月に延期すると発表した。与党の議員などからの反発で、与党内の結束力が乱れる懸念が高まっていることが背景にある。


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情報提供元: FISCO
記事名:「 【中国の視点】ブラジルのインフレ率:17年は19年ぶり低水準、追加利下げも