アルミニウムの国際価格は今年に入ってから緩やかな上昇傾向を維持している。米中の需要増が価格を押し上げているほか、中国における生産抑制も価格上昇の一因だとみられている。

過剰生産を抑制するとの中国の政府方針に加え、環境意識が高まっていることが背景にある。世界最大となるアルミ製造会社である中国宏橋が環境基準などに満たさない製造拠点を閉鎖すると報じられた。閉鎖する拠点の年産能力は268万トンとなり、同社の年産能力の30%に相当する。

また、華北地域の環境汚染を軽減させるため、アルミや鉄鋼などの生産抑制が一段と進められると予測されている。

エコノミストは、2017年に入ってから需要の増加が生産の増加を上回っていると指摘。これがアルミ業界の稼働率と価格を押し上げていると分析している。アルミ価格について、今年10-12月期に一段と上昇すると予測した。

ただ、中国のアルミ在庫が今年に入ってから4倍以上に膨らんでおり、大幅な上昇が見込まれないとの見方も出ている。

なお、上海先物取引所のアルミ先物は今月24日、1トン当たり1万6650元(約27万
4000円)まで上昇し、終値ベースでは2011年以来の高値を更新した。


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情報提供元: FISCO
記事名:「 【中国の視点】アルミ国際価格、中国の生産抑制で上昇の可能性も