ブラジル各地で今月18日からテメル大統領の弾劾を求める大規模な抗議デもがエスカレートしている。デモ隊は今週24日、首都ブラジリアの農牧・食料供給省の庁舎に侵入し、放火など破壊行為まで及んだ。過激化するデモ隊を阻止するため、軍隊が出動する事態にまで発展した。

抗議デモの広がりを受け、先週のブラジル株式市場が8%以上急落する事態に陥った。また、低迷するブラジル経済が再び景気後退に逆戻りする恐れがあると警戒されている。

同国の最高裁による汚職・腐敗調査の展開に伴い、テメル大統領が汚職スキャンダルの隠蔽(いんぺい)に関与した疑惑が浮上している。ただ、大統領はこれらの疑惑を否定し、自身が辞任しない意向を示した。

中国の専門家は、ブラジルにおける大統領への弾劾圧力が高まっている中、同国の通貨レアルや株式、債券市場が当面不安定な値動きが続く可能性があるとの見方を示した。また、大統領がこれまで過去最悪のリセッションを脱するための一連の努力も無駄になる恐れがあるあると警告した。

なお、ブラジルのエンヒッキ・メイレリス財務相は先月、テメル大統領が進めている年金改革法案が議会で前進していると発言。ブラジル経済がリセッションから着実に回復していると指摘した。成長ペースは10-12月期にプラス2.7%まで加速するとの見方を示した。


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情報提供元: FISCO
記事名:「 【中国の視点】混迷するブラジル、テメル大統領の弾劾要求で景気回復が頓挫も