クラウドベースの研究データ管理プラットォーム「GakuNin RDM」からブラウザ経由でMATLAB(R) にアクセス可能に
Tokyo, Japan - 2024年3月4日 - MathWorksは本日、国立情報学研究所NII(読み:エヌアイアイ)、所長:黒橋 禎夫、東京都千代田区)との協力の下、NIIの研究データ管理プラットフォーム「GakuNin RDM」からブラウザ経由でMATLABにアクセスできる機能を提供することを発表しました。

これにより、研究者はNIIが提供するクラウド上でMATLABコードを実行し、解析結果をGakuNin RDMプラットフォーム上に保存して共有できるようになります。また、プラットフォーム間の連携設定や切り替えなどを行うことなく、データの保存、共有、解析がシームレスに行えるようになります。再現性の担保も容易になり、研究データへのアクセスを適切に管理しつつ解析を行うことが可能です。

利用者のメリット
研究者は、GakuNin RDMから直接クラウド上のMATLABにアクセスすることができるようになるため、自身のコンピュータにソフトウェアをインストールすることなく、研究データの解析と共有を行うことができ、研究者同士の連携が円滑になります。また、研究データの管理と解析を一元化することにより、研究プロセスの効率化だけでなく、研究の再現性も向上します。
なお、このMATLAB環境の利用にはMathWorks製品のライセンスが必要です。日本国内の数多くの高等教育機関が導入している全学利用向けのCampus-Wide Licenseを利用することで、さらに手軽にアクセスできます。
https://jp.mathworks.com/products/matlab-campus.html

MathWorksのオープンサイエンスへの継続的な取り組み
MathWorksは長年にわたり、オープンサイエンスを支持し促進するために、次のような複数のプラットフォームを開発および提供しています。
● MATLAB File Exchange:MATLABコードを共有するためのウェブポータルで、40,000件を超える無料のオープンソースコードがMATLABコミュニティから提供されており、GitHubではさらに300,000件のリポジトリが存在します。これにより研究者が相互の経験や成果を活用し合うことを可能にします。
https://jp.mathworks.com/matlabcentral/fileexchange/
● MATLAB Online:クラウド上で動作するMATLABで、研究者や教育者、学生がいつでもどこからでもブラウザ上でMATLABを利用し、その入力や結果をMATLAB Driveに保存することができます。
https://jp.mathworks.com/products/matlab-online.html
● 例えばCode Ocean(https://codeocean.com/explore)上で公開された論文の再現可能なコードの共有など、オープンリサーチを促進し、オンライン研究プラットフォームをサポートする製品やツールがあります。https://codeocean.com/explore?page=1&filter=all
これらの取り組みとそれを支えるプラットフォームは、研究者が研究成果を共有し、協力し合うことを可能にします。

国立情報学研究所 アーキテクチャ科学研究系 准教授 藤原 一毅氏は、次のように述べています。
「NIIは、情報学を専門とする国内唯一の学術総合研究所で、幅広い研究分野で長期的な視点に立つ基礎研究、ならびに、社会課題の解決を目指した実践的な研究を推進しています。
同時に、大学共同利用機関として学術コミュニティ全体の研究や教育活動に不可欠な学術情報基盤の構築・運用に取り組み、次世代研究データ基盤「NII RDC※1」の提供を通じて、日本におけるオープン&クローズ戦略にもとづく研究データ管理の普及を促進しています。このうち、GakuNin RDMは、研究チーム内でデータを管理・共有するためのプラットフォームであり、データ解析過程の再現や解析プログラムの再利用が容易にできるデータ解析機能「GakuNin FCS※2」を備えています。
今回、MathWorks社との協力によりMATLAB実行環境がFCS上で提供されることで、より幅広い分野の研究チームがGakuNin RDMとデータ解析機能を活用できるようになります。GakuNin RDMは今後も、FAIR※3原則に則ったオープンサイエンスの実践を支援する機能を拡充していく予定です。どうぞご期待ください。」
※1 Research Data Cloud
※2 Federated Computing Services
※3 Findable, Accessible, Interoperable, Reusable

また、MathWorks リサーチ&サイエンス ストラテジスト の Lisa Kempler は次のように述べています。「MathWorksと国立情報学研究所NIIとの新たな協力関係は、GakuNin RDMプラットフォームのユーザーにとって大きな機会を提供します。データと同じクラウド上でMATLABを使うことで、MATLABユーザーはデータアクセスに関わる煩雑な作業から解放され、分析やモデル化に専念することができます。そして、プラットフォーム上やより広いコミュニティで、得た知見やデータ、コードを公開して共有することができます。MathWorksはNIIと協力し、この可能性を日本の研究者たちの多大な成果へとつなげていきたいと考えています。」

MathWorks について
MathWorks は、数学的計算で業界をリードする世界的なソフトウェア開発会社です。MATLAB は、エンジニアや科学者のための言語で、アルゴリズム開発、データ解析、可視化、数値計算のためのプログラミング環境です。Simulink は、マルチドメインおよび組み込みエンジニアリング システムのシミュレーションとモデルベースデザインのためのブロック線図環境です。世界中のエンジニアや科学者が、自動車、航空宇宙、通信、エレクトロニクス、産業オートメーションなどの産業分野において、発見、革新、開発を加速させるためのツールとしてこれらの製品を利用しています。MATLAB および Simulink は、教育および研究に欠かせないツールとして、世界有数の大学や教育機関において活用されています。MathWorks は 1984 年に設立され、現在はマサチューセッツ州ネイティックを本拠地とし、世界 34 のオフィスで 6,000 名以上の従業員が活躍しています。詳細については、jp.mathworks.com をご覧ください。

MATLAB and Simulink are registered trademarks of The MathWorks, Inc. See jp.mathworks.com/trademarks for a list of additional trademarks. Other product or brand names may be trademarks or registered trademarks of their respective holders.





配信元企業:MathWorks Japan
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情報提供元: Dream News
記事名:「 MathWorks、国立情報学研究所とオープンサイエンス推進で協力