製造の一部を自国に戻す企業の数は、昨年に比べ倍増

96%の企業が地政学的な状況が理由でサプライチェーンに変化

半数以上の企業が世界的な混乱に備えて生産拠点を自国へ

スイス、ダボス, 2023年1月19日 /PRNewswire/ -- 新たに実施された調査によると、グローバル化に大きな変化が起きていることが明らかになりました。サプライチェーンの混乱に備え企業の製造拠点を自国に戻そうと急ぐ一方で、保護主義政策により世界が貿易圏に分割されつつあります。

DPワールドの委託を受けてエコノミスト・インパクト(conomist Impact)が実施した最新の移行期の貿易(Trade in Transition)

調査では、ウクライナ侵攻、インフレ、一部の市場での長期にわたるゼロコロナ政策まで、世界貿易に対する混乱に対処する企業経営者の視点を捉えています。

96%の企業が、地政学的な事情によりサプライチェーンを変更したことが確認されました。

この変更は急速に進んでおり、 わずか1年の間に、製造やサプライヤーを自国市場や近隣にシフトする企業の数は、2021年と比較して2倍になりました。 この背景には、主にコスト削減と混乱リスク軽減のための努力があります。

しかし、シフトは均一ではなく 27%の企業がウクライナ戦争などの地政学的な状況を理由にサプライチェーンを簡素化すると答えた一方で、別の33%の企業はより安定的で透明性の高い市場への進出を計画しています。

インフレの脅威

今後2年間の貿易に最も大きな悪影響を及ぼすものとして、経営者の30%がインフレの脅威を挙げています。 インフレ圧力は、供給不足による投入コストと、エネルギーコストの高騰や輸送能力の制約による輸送コストに見られます。

金融引き締めのシナリオでは、欧州、北米、アジア太平洋地域の企業は、生産と需要の減少により、輸出が通常の状況より1%減少すると予想しています。

インフレ圧力が続けば、中東と南米の輸出が最も大きな打撃を受けるとされ、それぞれ3.52%と2.74%の減少が予想されています。 アフリカだけが0.26%輸出が増加すると予想されています。

細分化する世界

国際貿易の成長を妨げる要因として、調査の回答者の10%が世界の貿易圏の分断を挙げています。 ウクライナ戦争にとどまらず、米中間の緊張やサイバー戦争が、世界経済が効率的に機能することを妨げています。 このため、米国のインフラ法案やCHIPSおよび科学法案など、米国や北米の製造業にインセンティブを与え、優先させることを目的とした保護主義的な政策がますます増えています。 同様の保護主義的な政策は世界中に出現しており、世界貿易のさらなる分断を招いています。

企業はこれに対応し成長するための方法を探しています。 サプライチェーンの多様化、地域化、生産拠点の自国化によってサプライチェーンを変えることがレジリエンスを高める方法の1つです。

3,000人の企業経営者を対象としたグローバル調査では、北米と欧州の企業が、自社サービスの半分以上を地域で発注している可能性が高いことがわかりました。 次いで、南米の40%、中東の36%、アジア太平洋の32%、アフリカの18%の企業が、それぞれの地域内で発注しています。

テクノロジーの導入が広まりつつあることも、サプライチェーンにレジリエンスを組み込む方法の一つです。 回答者の約35%は、貨物の追跡や監視を容易にするためにモノのインターネット(IoT)ソリューションを導入していると答え、さらに32%の企業は、顧客やサプライヤーとの直接取引を可能にするデジタルプラットフォームを導入しています。

本日ダボスで開催された世界経済フォーラムでの報告書発表会で、DPワールドグループ会長兼CEOのスルタン・アーメド・ビン・スレイエムは次のように述べています。

「この報告書は、企業が新たな課題への適応を迫られる中で、グローバリゼーションがどのように変化しているかを具体的に示す証拠となります。 生産拠点と最終顧客との距離を縮めることで、企業はサプライチェーンの接点の数を減らし、世界中の貨物の流れに大きな弾力性を持たせることができます。 しかし、貿易環境は常に変化しています。 こうした傾向を変える次の課題は、地域市場に迫り来る景気減速です。 アジリティ、リアルタイムの可視性、エンドツーエンドのサプライチェーンは、企業がますます厳しくなる環境の中で新たな効率性を見いだし続けるために不可欠となるでしょう」と

エコノミストインパクトの新グローバルプラクティスの責任者のジョン・ファーガソンは語ります。

「地域化と拠点の国内化へのシフトは顕著ですが、コスト上昇、リスクの増大、政府からの支援や要件といった3つの要素を考えれば自然なことです。 さらに、この数十年間にわたり企業は、価格、品質、納期といった経済的な側面だけに着目していればよかったのですが、 現在では、レジリエンスや持続可能性といった非経済的な要素も考慮しなければならなくなりました。 これらはすべて、サプライチェーンに劇的な変化をもたらしており、調査結果でも世界の貿易パターンでも変化を目の当たりにしています。

本報告書の全文はこちらをご覧ください。

移行期の貿易

本レポートは、DPワールドの委託を受けてエコノミストインパクトが作成した「移行期の貿易」の第3版です。 本レポートは、3,000人以上の経営者からデータを収集し、パンデミックの経験、政府の政策に対する信頼感、世界貿易の動きに対するサプライチェーンの圧力、貿易におけるESGの優先順位などを調査した世界的な調査です。 本レポートでは、地域別(北米、南米、欧州、中東、アフリカ、アジア太平洋地域)およびセクター別(FMCG、(工業製品、消費財、食品・飲料、エネルギー・天然資源、健康・製薬)のデータを深く掘り下げ、国際貿易における優先順位を比較しています。

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DP World は、世界規模のスマートなエンドツーエンドのサプライ チェーン ロジスティクスの大手プロバイダーであり、グローバル貿易を可能にしています。 当社の包括的な製品・サービスは、海上ターミナル、内陸ターミナル、海上サービス、工業団地、技術主導の顧客ソリューションに至るまで、統合サプライチェーンのあらゆる接点をサポートしています。

これらのサービスは、6大陸76カ国にある300以上の事業体の相互に関連するグローバルネットワークを通じて提供されており、高成長市場と成熟市場の両方において大きな存在感があります。 当社が事業を展開するあらゆる地域で、サステナビリティと責任ある企業市民として事業活動を行い、社員が生活し働く経済と地域社会に積極的に貢献するよう努めています。

162カ国の国籍からなる10万1,000人以上の多様な専門チームは、お客様とパートナーに最高の価値を提供することに全力を上げています。 政府、荷主、貿易業者、その他グローバルサプライチェーン上のステークホルダーとの信頼関係と永続的なパートナーシップを基盤に、相互に有益な価値を提供しています。

変化を予測し先を見据えて業界をリードするデジタル技術を導入することで、世界貿易の革新、最もスマートで効率的かつ革新的なソリューションを生み出す一方で、経済、社会、地球にやさしく持続可能な方法を使用しています。

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情報提供元: Dream News
記事名:「 DPワールド: グローバル化の再定義で製造業の国内回帰が進む