株式会社矢野経済研究所(代表取締役社長:水越 孝)は、パチンコホール経営企業123社の決算情報から主要指標の平均値を算出し、売上・利益動向を明らかにした。

1.調査結果概要
本調査では、当社『YANOパチンコデータベース』に収録されている全国のパチンコホール経営企業2,078社から、企業規模を考慮し任意に123社を抽出した。それらの決算情報の主要指標平均値を算出し、2019年度から2021年度までの3カ年の業績推移分析を行った。

2021年度においては、123社の売上高平均が147億5,800万円に対し、売上原価平均125億6,600万円(構成比85.1%)、販売管理費平均21億3,100万円(同14.4%)、営業利益平均6,100万円(同0.4%)であった。各指標を前年度と比較すると、売上高は0.7%減少したものの、売上原価が1.1%減少したことで売上総利益は1.7%増加した。販売管理費も前年度比2.8%減と圧縮が進み、営業利益は前年度の赤字から黒字へと転換を果たした。しかしながら、営業利益率は0.4%と依然として低水準にある。

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2.注目トピック~パチンコホール経営企業123社の売上・利益動向
【売上高・売上原価】
2021年度の売上高の平均は147億5,800万円、前年度比で0.7%減少した。
パチンコホール経営企業の売上高は、コロナ禍の行動制限による店舗休業や営業時間短縮などが大きな影響を及ぼした2020年度に前年度比25.4%減と大きく落ち込んだ。2021年度からは行動制限も緩和されつつあるが、売上高は回復には至らかなった。新規則機への移行が最終段階を迎えて、ファンの支持が高かった旧規則機が多く撤去されたことも売上高の回復を妨げる要因になったものと考えられる。

【売上総利益】
売上高は減少したものの、売上原価の構成比が低下したことで、売上総利益の平均は前年度比で1.7%増加の21億9,200万円となった。売上総利益の構成比も前年度から0.4ポイント上昇して14.9%となっている。売上高が伸び悩む中で売上総利益を確保するため、売上原価の圧縮が進んだことが見て取れる。

【販売管理費】
2021年度の販売管理費の平均は、前年度比で2.8%減少となる21億3,100万円だった。
販売管理費の構成比は2019年度には12.5%だったが、2020年度には14.8%へと2.3ポイント上昇し、2021年度は0.4ポイント低下したものの14.4%と2年度連続で14%を上回った。販売管理費自体は2020年度が前年度比で11.8%減、2021年度には同2.8%減と削減されているが、2020年度から売上高が大きく落ち込んだことで相対的な販売管理費の構成比は高止まりしている。
過去の同様な調査によると、販売管理費の構成比は2008年度を境に10%を超えていて、パチンコホール経営企業の経営を圧迫してきた。2018年2月の遊技機規則改正を受け、パチンコホールは2022年1月末までに店内にある旧規則機を撤去して新規則機に置き換えたが、これに伴う新規則機の購入費用も大きな負担となった。2022年度以降については、スマート遊技機(スマートパチンコ・スマートパチスロ)および付随する機器の導入費用や電気料金の高騰などが販売管理費の増加に繋がる可能性がある。

【営業利益】
2021年度の営業利益の平均は6,100万円となった。パチンコホール経営企業の営業利益の構成比は概ね2%台で推移していたが、2020年度に赤字へと転落した。2021年度は売上原価と販売管理費の削減が進んだことで6,100万円の黒字へと転換を果たしたが、営業利益率は0.4%と、依然として低水準にある。

※掲載されている情報は、発表日現在の情報です。その後予告なしに変更されることがございますので、あらかじめご了承ください。
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調査要綱
1.調査期間: 2022年9月~12月
2.調査対象: パチンコホール経営企業
3.調査方法: 『YANOパチンコデータベース』データを基にした当社専門研究員による集計・分析
4.発刊日: 2022年12月22日

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情報提供元: Dream News
記事名:「 【矢野経済研究所プレスリリース】パチンコホール経営企業の売上・利益動向調査を実施(2022年)~パチンコホール経営企業123社の2021年度決算平均、黒字転換も本格的な回復には至らず~